7時起床。就寝の時間(午前2時)を考えると早すぎる起床である。昼寝必至だろう。霧が出ていた。
来月の文学講座で読むアン・モロー・リンドバーグ(リンドバーグ夫人はやめるべきだろう。確かに単独大西洋無着陸横断飛行を成功させた夫リンドバーグの方が有名だけれども、彼女は夫の付属品ではない)の『海からの贈物』に影響を与えたと思われる詩人リルケ(遠い昔の読書の記憶で定かではないけれど)の『若き詩人への手紙・若き女性への手紙』(新潮社の電子ブック)をダウンロードして読む。若い頃リルケはだいぶ愛読したが、読むのは本当に久しぶりだ。リルケの深い詩魂から発せられる言葉に酔う。フェミニズムという言葉で片づけてよいかわからないがリルケは女性に人間の希望を託しているようだ。しかし「若き女性への手紙」は「若き詩人への手紙」に比べるとわかりにくい。それはリルケと若き女性との心の交流の方が親密で、リルケの手紙を読むだけでは不明な部分があるからである。それにしてもリルケといえば「孤独」である。孤独な魂がリルケを詩人にしたのだ。ところで訳者があとがきで「若き詩人」をひどく腐していた。リルケから美しい手紙をもらったのに三文新聞でくだらない記事を書くようになったというのだ。なんて野郎だと怒る気持ちもわからぬではない。しかしそうしたものだろう。素晴らしい師から薫陶を受けたって、誰もが期待を裏切らず立派になるわけではない。
早朝イチゴ摘みアルバイトに行ってたK子が10時過ぎに帰ってきた。いつもよりも遅くなったのは、イチゴ摘みだけではなく苗の植え付け作業が加わったからだという。アルバイト仲間に画家の女性がいたというが、絵を描きながら季節労働者として各地で働いており、イチゴが終わったら次の場所に移るのだという。そのような生活にちと憧れる。
郵便局へ行く用事があり出かける。今日は周囲の山々がまったく見えなかった。遠くからみれば、わが家のある地域はすっぽり灰白色の雲に低く覆われているにちがいない。チキンカツを買って帰る。
昼食後、続きが気になって仕方ないので、『警視バンクラフト2』第3話を観る。しかしやはりぼくは寝不足から途中で眠ってしまう。K子はぼくが眠っている間に第4話まで観たらしい。
2時間ほど眠って目を覚ますと、体がダルいし、頭もスッキリしない。少し近所を歩くことにした。iPadで野草の写真などを撮影しながら歩くが、どうも左脚が重くて調子が悪い。子犬を連れた老女が坂を下ってきた。子犬が立ち止まり胡散臭そうにこちらを見る。老女がリードをひっぱりながら近づいてきたので、こんにちわと挨拶するが、老女はこちらをチラッとみただけで顔を逸らす。白髪長髪があやしまれたか。犬が突然吠えかかる。新しく移ってきた人には、積極的に挨拶を交わす人と、とても素っ気ない人とに分かれる。後者はわれわれはこの地域に住んでいても、地域のコミュニティとは一切関わりませんということなのだろう。せっかく都会の煩わしい人間関係から逃れてきたのに、ネエ。
夕食後iPadで『警視バンクロフト』を観る。展開がころころ変わる。サイコパスドラマになり、女囚ものになってシリーズ2は終わる。さて3は見られるのだろうか。