8時の気温24度。残暑厳しい1日になりそうだ。しかしK子がさわやかな高原から人に会いに都心へ行くというので長坂駅まで送る。山にはもこもことした雲がかかっているが、真上の空は高層に薄く雲が広がりもう秋空だ。
さわやかな朝に読むものではないかも知れないが、志賀直哉「剃刀」を読む。何度読んだだろうか、読むたびに心胆が氷る。床屋に行けなくなりそうだ。来るぞ! 来るぞ! とわかっていながら逃げられない恐怖。
小川未明「薔薇と巫女」はイギリス19世紀末の幻想小説のよう。童話作家だと思っていたが若い自分にはそんな小説を書いていたとは意外だった。坪内逍遥に私淑していたようだから英文学に造詣があったのだろう。翻案のような気がしないでもない。別に貶めるつもりはなく、初期の小説をもっと読んでみたい。
午後甲府へ。目的は二つ。家のプリンターが調子が悪く、来月の文学講座のチラシのプリントができそうにないので、パートタイムで仕事をしている職場のコピー機を借りる。もう一つは、文学講座で読むことに決めたリンドバーグ夫人の『海からの贈物』がまだ5冊しか集まっていないので、先日回り切れなかったブックオフで探す。
チラシのプリントは180部簡単にコピーできた。わが家の使い古しのプリンターだったら2、3時間かかったにちがいない。速いしカラーの色が鮮やかだ。
3軒のブックオフをめぐり、2冊の『海からの贈物』を見つける。これで甲府のブックオフから『海からの贈物』はなくなった。機会があったら松本近辺まで足を延ばすか。さもなければネットで購入するしかないだろう。八王子に住んでいる息子にも探すように頼んだ。