昆虫に軒下を借りているのだ。(May 26, 2022) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

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八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 7時半起床。二度寝してこの時間に起きた。昨日は二度寝せずに同時刻に起床し、終日睡魔に断続的に襲われて往生したが、今日はどうだろうか。曇天。気温16度である。

 

 北村透谷「各人心宮内の秘密」を読む。内容を完全に理解できたわけではないが、精神に迫ってくるものがあり、「超」をつけてもよいだろう、透谷は超ロマン主義者だ。

 

 9時40分、都内へ行くK子を小淵沢駅まで送る。沿道の緑がすっかり濃くなったことに気づく。樹木が繁って両側から道路にはり出し、緑のトンネルのようになっているところがある。

 

 

 毎日、その日の活動は読書ではじまるが(今朝は透谷の短いものを読んではいたものの)、今日はカメラ散歩ではじめようと、信濃境の井戸尻遺跡へ行くことにした。

 向かう途中、歩いている人がいつになく目立つ。ほとんどが老人である。曇っていて肌を焼く陽射しはない。気温も高くない。遠い雨の匂いのする微風がやさしく吹いている。ウォーキングにはうってつけなのだ。

 駐車場からハス池に下ると、キジと何かわからないが鳥がしきりに鳴いている。池の面に白く光っているのは、近づいてみると、睡蓮だった。池の周囲には黄色や青紫のカキツバタが咲き、トンボもまだ少ないが飛んでいる。ハスはまだあの一ヶ所切れ込みのある丸い葉が水面に浮かんでいるだけだ。たぶん養魚場の池だったのだろう、清らかに澄んだ水が流れこむ池には芹が繁茂し小さな白い花をつけていた。オタマジャクシが元気に泳いでいる。別の池ではコウホネがぎっしり池を埋めつくし、鮮やかなきいろの花が咲きはじめていた。足元からカエルが跳ね、睡蓮の葉にのった。ハスの葉にのれば絵になるが、睡蓮の葉でもよい。

 

 

 水辺が好きで生き物が好きな孫がいればなあと思う。3、4週間前に1度連れてきたときも大はしゃぎで2度3度池にハマった。ハマっても服を汚してもめげないのがよい。昨日の息子からのラインには、近くの公園でナナフシを見つけたので飼っていたが大きくなったので逃した、今はヤモリを飼っているとあった。虫好きは息子に遺伝し、孫にも伝わったようだ。羽虫が飛んできただけで悲鳴を上げて逃げるような若者にはなってほしくない。地球はなにせ昆虫の惑星なのだ。われわれは昆虫に軒下を借りているのだ。豪も家主である昆虫をおろそかにしてはならない。家主といえば親も同然、店子といえば子も同然である?

 

 気持ちよくカメラ散歩ができた。こういうときはよい写真が撮れる(と手前味噌)。

 

 昼食はコンビニの海苔弁ですます。午後は気温は上がらず天候は崩れる気配。小酒井不木「メデューサの首」、中村真一郎「救いを求める声」を読む。前者は以前車を運転しながら朗読を聞いたことがあるが、どこを走っていたかを覚えているのはなぜだろう。印象的な短編だったから場所と時間に刷り込まれたのだろうか。この2作を皮切りに、「カンディード」を読むつもりだったが、またもや眠くなってしまった。気圧のせいだろうか。二度寝をしたとはいえ、トータルの睡眠時間は5時間ほどだ。夜ふかしが祟っているんだな。炬燵も気持ちよかったんだ。