好い春の陽気だった。風が少し冷たかったのでさわやかだった。昨日は年に一度か二度あるかないかというような素晴らしく気持ちの良い日だったが、今日はどうだろうか。
午前中の読書で面白かったのが石田孫太郎の「猫と色の嗜好」という文章。K子に読み聞かせたが、読みながらつい吹いてしまう。K子も、は、は、はと大笑い。石田孫太郎は養蚕の技術者だった人のようだが、猫に対する愛情が半端なく、猫についての本も書いたようだ。その幻の本が文庫化されているのがわかったのでさっそくちゅうもんした。
午後は小淵沢のセルクルへ食パンを、白州のケルンへコーヒー豆を買いに行く。山々は春霞に包まれ、甲斐駒ヶ岳の残雪も鈍く光っているだけだ。ツーリング中のオートバイが目立つ。止むに止まれずオートバイを売ったが悔やまれる。125ccぐらいのオートバイが欲しい。先立つものは金、金、金だ。よってけし、という梨北農業組合の店で、野菜や庭に植える草花を買って帰る。
ウッドデッキでディーリアスを流しながら読書しようとして『ユリシーズ』を開いたが、なぜか睡くてならない。特に寝不足ではないのにどうしたことだろう。昨日はえらく調子がよかっただけに今日の不調が不可解である。読書は断念し眠ることにした。
3時間ほど眠ったらしい。目が覚めたら8時を過ぎていた。K子はフェルト制作をずっと続けていたようで、サイフォンでコーヒーは淹れてあったが、夕食の準備はしていない。オートミールで簡単な夕食にする。オートミールの卵かけご飯だ。
夕食後『ウーゼドム・ミステリー 罪深き母の捜査ファイル』を観る。期待以上に面白かったので2本続けて観た。主人公の女性は元検事だが夫を殺し刑務所にいたのだが出所して島に帰ってくる。島にはドイツとポーランドの国境があり、調べてみなければわからないが、当然複雑な歴史的背景がありそうだ。主人公の娘は刑事で父親を殺した母を許していない。なぜ殺したのかいずれ真相はわかるだろう。以前観た『シェトランド』でもそうだったが、島は狭く閉鎖的なコミュニティなので殺す方も殺される方も、裁く方も裁かれる方も、みな友人知人である。