昨日は秋雨のように冷たくわびしい雨が終日降っていたので、今朝のからりと晴れ上がった空から降り注ぐ陽光はまぶしく心を明るく軽くした。9時の気温は15度。朝食はウッドデッキで食べた。
読書は、ウッドデッキの椅子は猫たちに奪われてしまっていたので、残念だけれども室内でした。青空文庫をチューリップで検索し、村山しず子「二階の窓までのびたチューリツプ」、新美南吉「チューリツプ」を読む。ついで芥川龍之介が訳した、恋人(?)片山広子の影響か、ウィリアム・バトラー・イエイツ「春の心臓」、「『ケルトの薄明』より」を読んだが、今朝の気持ちにぴったりの読書になった。モンテーニュのエセーも一章読む。
午後仕事に行くのでK子がいつもより早めに昼食の準備を始めた。その間、朝起きたときから右脚の調子がおかしいので、歩いて治るともう思えなかったが、近所を少し歩いてみることにした。八重桜が満開だ。ヤマブキも開花し始めたが、枝に並ぶ蝋燭の炎のような黄色いつぼみがかわいい。地面には濃い橙色のボケの花が一つの枝に固まるように咲いている。毎年アケビの蔓が絡まる道端のレンギョウを見てみると、やはりアケビの花が咲いている。ちょっと気持ち悪い感じがしないではないがかわいらしい花だ。花言葉は「才能」「唯一の恋」だという。脚の調子が良くなったわけではないが、仕事に行くのに支障はなさそうだ。
長坂駅まで送ってもらい、13時15分の電車に乗る。車窓風景を楽しみたいという気持ちはあったが『黒い雨』を開く。
甲府についてジャケットを着てきたことを後悔した。5月になれば、八ヶ岳南麓の高原と甲府では気温の差はあるものの、服装については同じですむが、まだこの時期ではまだ、家を出るときに涼しいのでジャケットなど上着を着て出ると、甲府では暑くて上着がじゃまになる。アメリカ人のMさんは半袖だった。それを見てさらに後悔した。
若い三人組に年齢を聞かれた。いくつだと思うと訊くと、20歳以上若い年齢をいう(!?)。童顔だからかなあとマスクを外すと一人が「イケメン」だという(!?)。3、4年前、若い女の子で、ぼくと会うたびに、「かわいい」という娘がいた。どういう基準でイケメンなのかかわいいのかさっぱりわからない。だいたいイケメンや可愛いはデフレで安売りされている。イケメンだというので見ればふつうである。かわいいというので見れば、流行りの化粧で糊塗しているだけではないかと思う。だから、K子には良かったわねといわれるが、いじられているだけなのだ。K子にいわせると、最近の若い人は年齢がわからないという。それにしても、数歳ならばともかく、ぼくの年齢を20歳以上間違える若者の目は信ずるわけにはいかない。