9時の気温は9度。微風に首筋が冷たい。
起きて階下へ行くと、K子が苦しそうにしていた。熱が出て体の節々が痛いらしい。心配していたワクチンの副作用だ。昨夜用意周到に前もって鎮痛剤を飲んだようだが効かないようだ。2回目のワクチン接種の副作用でひどい発疹が出たぼくは、注射針が刺さったあたりが腫れぼったいように思え、腕が重く感じられるの、とくに副反応らしいものはない。少し無気力感があるが、太陽がときどきしか姿を見せない天候のせいではないか、と思う。というわけでK子は食事の時以外ずっと寝ていた。一度様子を見に行くと、熱で赤黒い顔をしていた。額に触ると熱い。
何となく落ち着かず、体もだるい。井伏鱒二の短いものを読む。座ったり、横になったり頻繁に姿勢を変えて読むが、どの姿勢も肩を凝らせる。そのうちイライラしてきた。
少し体を動かそう。ニコンの一眼レフを下げて少し近所を歩く。まだ裸の木々が灰色の空を背景に寒々と立っている。
散歩は簡単に切り上げてコンビニに買い物に行く。K子が何か甘いものを食べたいだろうと思ったのだ。
帰宅後井伏鱒二を読む。
夕食はKの所望でお茶漬け。ぼくはオートミールの雑炊。
食事の後英国の刑事ドラマ『刑事ホイール』第一話を観る。戦時下という特別な状況下における事件と捜査。骨のある正義感。HDになんぼんも保存してあるのでしばらくはこればかりだろう。
萩原朔太郎の「芥川龍之介の死」を読む。朔太郎と龍之介が芥川の自殺の3年ほど前から親しく交流していたとは、知らなかった。感情の人と理知の人。詩人と小説家。水と油のようだけれども、親和しているようでもある。