第26回文学講座を開催。場所はいつもの八ヶ岳文化村ではなく、長坂駅近くの市の施設を利用した。というのも、今日は好天に恵まれたけれども、八ヶ岳文化村の教室は暖房設備は弱く、冬は厳しいからである。今回借りた部屋は隣の話し声が聞こえたり、必ずしも完璧ではなかったが、暖房は効いていた。使用料も午後いっぱい使っても170円である。
読んだのは岡本かの子の「鮨」と矢田津世子の「茶粥の記」である。もう一編上司小剣の「鱧の皮」も用意してあったが、時間的に無理だった。
「鮨」は名作の名に恥じない。山の手と下町の境の谷地にある鮨屋、この場所の設定がよい。客は家庭人というよりもそれから外れた男たちで、いわば東京という大都会の新興勢力とはちと大袈裟だが、現代の年生活者を予見させる存在だ。物語の中の物語ともいうべき、湊という名の中年男の偏食話も面白い。
「茶粥の記」も傑作だ。お粥を作って食べたくなる。食べ物の話がいっぱい出てくるが、夫を亡くし、姑を支えて生きることを決めた女の哀しい決意が心に沁みる。
参加者は10名ほどで、以前はもっと来てくれないかと思っていたが、むしろやりやすい。
終了後は韮崎へ行き、ガソリンを給油し灯油や食材を購入する。
写真をめずらしく一枚も撮らなかった。