山梨は雪国じゃあないよ。(Jan. 24, 2021) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 目を覚まして天窓を見上げると、ガラスに雪がこびりついていた。階下へ降りて庭を見るとわずかに白くなっているだけだ。豪雪地帯の人たちには申し訳ないが、降るならばもう少し本格的に降ってほしい。寒冷地であっても雪国ではないことをありがたいと思わなければいけないのだが。

 学生の頃、山梨から東京の大学へ通っていた。山梨といっても東端の上野原町(現上野原市)だったから新宿まで1時間10分、気候も八王子市辺りとさほどちがわなかったが、山梨から通っているというと、ほとんどの人は目を丸くし、エッ! そんな遠くから、通えるの? 何時間かかるの? と驚かれるのはまだよいが、冬などであれば、もう雪がすごいんでしょ、などと聞かれる始末だった。最初は相手の無知に腹が立ったが、だんだんまともに答えるのが馬鹿らしくなって、山梨は雪国ということにしておいた。

 しかし考えて見れば、八ヶ岳南麓に移り住む前は、ぼく自身ももっと雪が多いと思っていなかったか。雪に埋もれる生活を期待してなかったろうか。しかし寒いばかりで、八ヶ岳おろしが風花を運んでくることは多いけれども、比較的大雪というのは一冬に二度か三度ぐらいなものである。一度数年前に大雪に襲われて山梨が陸の孤島になった時には、玄関を開けたら雪の壁があったのでびっくりしたが、それは例外だ。積雪も日向のはすぐに溶ける。大雪は2月3月に多く、雪は春の先駆けだ。

 今夜WOWOWでBabyMetal結成10周年特別番組を放映していたが、以前にもこのブログに書いたけれども、彼女たちを発見したのは数年前の大雪の時だった。ちょうどその時体調を崩していて、たとえ雪に閉じ込められずとも、体が動かず、まだK子が合流する前だったから、一人家でじっと安静にしていなければならなかったのである。食欲もなくひどい無気力状態が続いていたが、たまたまインターネットニュースでBabymetalについての短い記事を目にし、YouTubeで可愛く元気に歌い踊る彼女たちを発見したのだ。当時中高生だった彼女たちももう大人の女性だ。大雪の時にいくら市に電話しても除雪に来てくれなかった。最終的には近所の人たちからお金を集めて業者に依頼したが、ぼくにとっては体と心に積もった重たい雪を溶かし除雪してくれたのがBabymetalだった。