前回のつづき
何でもない朝
無断転用禁止
積雪の高原で車中泊した翌未明……。
午前5時過ぎの気温は-1℃を示している。
ここの気温としては高い方じゃ。
今日も穏やかな冬日が続くようじゃわい。
暁暗の西空には名残りの十六夜月。
東空ではもうマジックアワーが始まっているわい。
しかし正面の立ち木を黒雲メが邪魔しているのう。
ちょいと移動したらこれでスッキリしたわい。
池に朝光が射し込むところでも撮ろうと、池畔へやって来た。
しかし昨日のロケハンでは池面には何の表情もなかったからのう。
今日も期待は出来ぬが乗り掛かった舟じゃ。仕方がないわい。
まだ薄暗い池面。
やっとお天道様がお顔を覗かせてくだされたわい。
今日もニコニコ顔のお天道様じゃ。
途端に目前の雪塊に光が射して……
雪塊がオレンジ色に染まって来た。
わずかじゃがブルーに光っている氷片もあるわい。
なぜだかここにだけワンポイントのスポットライト。
池面にも朝のお恵みが。
黄金色に輝く芒。
順光側からも撮ってみたが、何ということもない。
エモノを求めてウロウロ、ヨタヨタ。
小ぶりながらも、これはシュカブラじゃわい。
もちろん高山で見られるような大規模なもの比べれば、物の数ではないじゃろうが、明らかに風によって雪が削られ、様々な紋様が出来ているわい。雪紋とも言うのう。
この高原へお邪魔する度に何となく撮ってしまう立ち木。
もうしばらくすると右方に林立する樹木の影が、この辺りの雪面にストライプ状に並ぶようになるぞえ。
ストライプ状の影が、この何でもない風景にちょいとだけ彩を添えてくれるのじゃ。
それまでは時間つぶしにまたウロチョロして来るか。
車を走らせていると、全面凍結した池面を歩く鹿の群れに遭遇した。
昨日はニホンカモシカ、今日は鹿。
次は……
クマ?
まさか😫
先頭は親鹿か、それともリーダー格か。
全部で6頭じゃ。
先頭の鹿が速足で池を渡り森の中へ入って行く。
しかし6頭いたはずの鹿が知らぬ間に5頭になっているのう。
残る4頭がこちらをじっと見つめていたが……。
カメラに気が付くや、これもそそくさと逃げ去って行ったわい。
それにしても残る1頭はいずこへ?
鹿の群れを撮って時間をつぶした後、ふたたび元の立ち木の場所へ戻ってきた。
画面下の方にちょいとばかりストライプが出来てきたのう。
足元の坂をもうちょいと登ると、手前のストライプを主役にして撮れるのじゃが、雪が多くてこれ以上登って行けぬのじゃ。
5、6年も前なら平気で登って行けたのにのう。
年は取りたくないがこればかりは何ともならぬ。
昨日から雪の中を歩き回った割には何の成果もなかったが、撮影する側は大自然のおっしゃるがままに従うことしか出来ぬから仕方がないわのう。
しかし出かける回数が増えれば増えるほど、自然がこちらに寄り添ってくれる確率は高くなるじゃろうて。
年に1回しか行かぬより2回行った方がチャンスは増える寸法じゃ。
要するに「ヘタな鉄砲も数打ちゃ当たる」じゃわい。
これからも体が動く限り、撮って撮って撮って撮って、撮りまくってまいるつもりじゃよ🤪
帰りがけにまた出会った通せんぼ通路。
バリケードを早く除けて欲しいのは山々なれど、取れたころには雪もない。
おしまい
無断転用禁止




























