前回のつづき
最強寒波はいずこ
無断転用禁止
これは1月11日前後の話じゃがのう。
この日は今冬の最強寒波が到来すると気象庁などが喧しく言い立てていたのじゃ。
そうなるとワシもこれを黙って見過ごすことが出来なくなってきてのう。
それっとばかりに、懲りもなくまたスイレンの沼へやって来たのじゃよ。
ここへ来るのは連続でもう3回目じゃ。
しかし最強寒波々々と喧しく言う割には大した雪景色にならなくてのう。
仕方がないからこの日は翌日の朝に期待して、沼の傍の駐車スペースで車中泊を決め込んだのじゃ。
もしやすると夜中には気温がますます下がり、明朝にはめったに見られぬ非日常的な冬景色に出会えるかも知れぬぞえ。
ーなどと勝手な妄想を描きながら、その夜は‟動くホテル”の暖かいベッドルームでzzz
そして翌未明となった。
気温を見ると何と0℃ではないかえ。
一昨日は-3℃だったのにのう。
それなのに最強寒波到来の今日になってこんな高い気温とは一体どういうことじゃ。
いきなりテンションが低下してしまったわい。
窓の外を眺めても雪は降っていないようじゃのう。
空模様はどうじゃ。
雲はあるが、この分なら晴れてくれるかもしれぬわい。
一昨日のお月さまよりちょいとスリムになられたのう。
沼の周辺はまだ暗くてピントが合わせにくい。
正面の竹やぶの向こうに垣間見える街灯の明かりを頼りにピント合わせじゃ。
ところが沼を見て驚いたわい。
確かに凍結はしているのじゃが、こんなまだら模様になっているではないかえ。
つまり全面凍結していないのじゃよ。
やはり気温が高いせいじゃろうのう。
にもかかわらず今冬最強の寒波とはこれ如何に。
しかも凍っている部分にはまるで氷紋が出来ていないのじゃよ。
前回で氷のアートを彫ってくれたあの彫刻師はどこへ行ってしまったのじゃ?
結氷部分の全面がフラットになっていて、あの見事なアートがみられぬのはチト寂しいわい。
しかし氷の上にはハラハラと雪が散り敷いて、その下には枯れスイレンが静かに眠りに就いている。
こんな風景もまんざら悪くはないけどのう。
先程まで晴れ間も見えていた東空はいつの間にかどんより冬空になり、雪もチラチラしてきたわい。
日の出時刻になってもこんなに曇っていてはお天道様の恩恵に与れぬわのう。
枯れ木のリフレクションの間にほんのりと睡蓮の葉。
なぜか岸に近い所だけ積雪しているわい。
降ったり止んだりの気ままな天候じゃ。
雪が降っているのに青空も見えてきたわい。
この辺りはまるで氷結していないのう。
最強寒波到来というから期待していたのじゃがチト当てが外れてしまったわい。
今ごろになって晴れて来てものう。
どうせ晴れるのならもうちょいと早くに晴れてくれぬと、朝のドラマチックな光景が見られぬではないかえ。
口をついて出るのは相変わらずの愚痴ばかり。
ブツブツ、ブツブツ😩😩😩
スイレンは年は取っても枯蓮より粋な色具合じゃのう。
氷が融け始めた。
お天道様が高くなるにつれて、どんどん融けて行くわい。
あっちへウロウロ、こっちへヨタヨタしているうちに、辺りはいつの間にか日常的な景色が戻って来てしまった。
期待した割には大した光景にならなかったが、いつも言うように人間様が自然を操ることは出来ぬからのう。
人間は自然の為すがままに動くより仕方がないわい。
今日はこんなところでそろそろ退散するとしようかのう。
さすがのワシも今日は完全にヨタヘロ老人じゃ。
何しろ評論家の樋口恵子さんが宣った「ヨタヘロ期」真っ只中のワシじゃからのう。
それではまた出直すとしますわい。
またのおめもじを楽しみにしていますぞえ。
※ヨタヘロ期:元気で何の支障もなかった時期の後に訪れる、何とか自立しているものの運動機能に問題が生じるようになった時期を言う。この期間は平均して約10年間続くとされている。
「動くホテル」へ戻ってきて
久しぶりに見掛けたツララ。
おしまい
無断転用禁止



























