涼を求め〜①開田高原
無断転用禁止
まだ6月じゃというのにこの暑さはどうじゃ。
夏と言ってもまだほんの入り口に立ったばかりじゃというのに、今からこのような猛暑ではこの先が思いやられるわい。
以前にこんな話を聞いたことがある。
「暑さから逃れようとして横に移動してもあまり効果はない。
もっとも有効的な避暑は縦移動、つまり標高の高い所へ移動することである」
その通りじゃ。
当然ながら風景写真の撮影は屋外がほとんどじゃからのう。
こんな老人が炎天下をヨタヨタと歩いていれば即、熱中症間違いなしじゃわい。
かといって部屋に閉じこもってばかりいても一枚の写真も撮れぬからのう。
そこで前述の格言(?)にしたがって、梅雨の晴れ間が続く6月下旬のある日、長野県の高原を目指して縦移動を決め込んだというわけじゃわい。
先ずは毎度おなじみの開田高原じゃ。
ここは標高1000~1500メートル程度の高原で、前年の涼しい地域ランキングに入っているぐらいじゃから涼しいこと間違いなかろうて。
ここへ来ると先ずはお決まりのこの画像と下記のセリフで始まる。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
冬は間違いなく雪国なのじゃが、今の時季は涼しくて快適な開田高原じゃ。
ここへ来たわけには避暑のほかにもう一つ理由がある。
それは忘れな草の撮影じゃ。
忘れな草という名前は知っていても、日常では実物を見る機会があまりない。
ワシの年代では「忘れな草をあなたに」の歌で名前は知っていたのじゃが、実物は開田高原へ来るようになってはじめてお目にかかったわい。
トンネルを抜けるとほどなくこの花が群生している水生公園に到着する。
車外へ出ると途端に爽やかな涼風が老体を包み込んでくれたわい。
これじゃから高原の夏が病みつきになるのじゃ。
園内にはカキツバタの群生に埋もれるようにして勿忘草が群がっていた。
クローズアップするとこんなに小さな青色の花じゃ。
以前にどなたかがウクライナカラーだと言われていたわい。
確かに青と黄色のウクライナの国旗のようじゃ。
ここには小さな流れがあるのじゃが、それを埋め尽くすように花が群がっている。
群れているのも壮観じゃが、こうしてポツンと咲いていたほうがその名にふさわしいのう。
池の周りも勿忘草でいっぱいじゃ。
ここも池なのじゃが、水面がまるで見えぬわい。
こんな花も咲いている。
調べたらムシトリナデシコじゃとさ。
ナデシコの仲間なのじゃのう。
道理で昨年ワシが栽培したフクロナデシコに似ていると思ったわい。
勿忘草に比べてカキツバタはデカいから目につきやすい。
しかしこちらは小さくても量では負けぬぞえ。
強い日差しで蜘蛛の糸まで輝いている。
公園前の道を隔てて反対側にも睡蓮の咲く池がある。
ここにも勿忘草がはびこっているわい。
もうちょいと奥へ入って行くと水芭蕉の一種らしい葉の周りにも勿忘草でいっぱいじゃ。
田植えが終わったばかりの水田のあぜ道も青色の花で彩られている。
勿忘草が咲き乱れている田んぼなぞはめったにお目に掛かれぬかもしれぬわい。
駐車場へ戻ってきた。
ここにもムシトリナデシコが。
切り株のベンチ。
下水の点検口?
せっかく来たのじゃから目にするものは何でも撮ってしまうぞえ😁
御嶽山のビューポイントへやって来た。
レンゲツツジも数輪残すだけになってしまったのう。
ワシがお邪魔するのが遅かったようじゃ。
夕暮れが近づいて、お天道様が低い位置からショウブを照らす。
奥にはルピナス。
日没間近の光が名残り花を照らしだした。
この時季のお天道さまは、正面の御嶽山よりかなり右側にお隠れになるわい。
草っ原に樹木の影が長く伸びている。
真夜中―。
寒さに目を覚ますと、超デカいレンズで写真を撮っている衆がいた。
星を撮っているのじゃろうのう。
寒いのに大した意気込みじゃ。
ワシは暖かい布団に包まり![]()
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翌朝になった。
遠くの樹々のてっぺんだけが輝いている。
見事な日本晴れの朝。
残雪の御嶽山もくっきりじゃ。
御嶽山の股のぞき。
天橋立に対抗してやったわい😅
例年ではこの辺りに蕎麦の花が咲き出すのじゃが、今年はなぜか栽培している様子が見られない。
ただの草っ原が広がっているばかりじゃ。
それではそろそろ次の避暑地を目指して出発することにしようわい。
昨日から涼しいひと時を過ごすことが出来てありがたかったぞえ。
今度は秋になったらお邪魔するからのう。
その時はまた素敵な風景を見せてくだされや。
つづく
無断転用禁止































