前回のつづき
花はす公園枯蓮模様
無断転用禁止
また新しい年を迎えてしまったのう。
「正月は冥土の旅の一里塚」と宣ったのは一休禅師じゃが、禅師はこのあとに「めでたくもあり めでたくもなし」…と続けたという。
こりゃ言い得て妙じゃのう。
こんな歳になるとこの言葉がますます身に染みるわい。
おっと。
新年早々からこんな愚痴ばかりこぼしても始まらぬ。
まずは素直におめでとうございますと言わせていただかなければのう。
こんな老いぼれじゃが今年もまた引き続きお付き合い下されや。
ところで元旦早々に大きな地震があったのう。
北陸地方にお住まいのブロ友さんの安否が心配で、二、三確認させていただいたのじゃが、ワシの知る限りでは何とかご無事じゃったようでまずは一安心。
そんな折も折、ワシが前回のブログで震源地近くの越前海岸をUPしていたせいもあって、数人のブロガーさんが心配してコメントを下されたのじゃよ。
しかしあれは11月中旬時点での話じゃから心配ご無用のお返事を差し上げたのじゃが、こんな気遣いをしてくだされた衆に感謝申し上げなければのう。
ただし11月ではなく12月中旬の書き間違いだったのじゃが、いずれにしても元日の時点では暖かい室内で子供や孫たちに囲まれてお屠蘇をいただいていましたからどうかご安心くだされや。
…と、まずはご挨拶やらお礼やらを申し上げたところで、早速ながら昨年のつづきじゃ。
*
この話は昨年12月中旬のことじゃからそのつもりでのう。
ここは福井県・花はす公園ー。
広大な園内には多くの蓮が栽培され、開花シ-ズンにはカメラマンや観光客で大いに賑わう公園じゃ。
わしゃ人混みの中へ行くのは苦手じゃから、ここへ来るのはシーズンを外れた枯蓮のころばかりでのう。
昨日は越前海岸の荒海を撮影した後、急きょこの公園へやってきて、人っ子一人いない広い広い駐車場でポツンと車中泊したのじゃ。
お天道様がお出ましになるころ―。
周囲の森に朝光が射し込んできたと思ったら…
いきなり目の前に強烈な光の矢が飛び込んできて、一瞬、目がくらんで何も見えなくなったわい。
昨日は越前海岸でこんなお天道様に拝謁したかったのに、一日中厚い雲に覆われてしまってロクな写真は撮れずじまいじゃった。
自然はなかなか人間様の思うようには行かぬのう。
蓮池にも強烈な朝光が射し込んで…
池面を覆い尽くす枯蓮を照らし出した。
反対側へ回って順光側からも撮ってみたわい。
バックの緑は周囲の森のリフレクション。
枯蓮も朝の光で幾分、赤みを帯びているようじゃ。
夜と朝のボーダーライン。
取り込み口辺りからは時々バブルが湧き上がっていた。
あちらこちらで花托が終焉のときを迎えている。
あちらにも…
こちらにも…
こんな枯蓮も夏の間は華やかな晴れ舞台に立っていたのにのう。
つい数か月前までは行楽客やカメラマンにもてはやされたヒーロー、ヒロインたち。
生あるものは滅す…。
お前も…
お前も…。
おお! ご同輩。お前もじゃ。
そしてワシものう😭
身を寄せ合う後期高齢者たち。
どうも身につまされてしまうわい。
こりゃそろそろ引き揚げたほうがよさそうじゃ。
この後はいよいよ琵琶湖へ直行するぞえ。
往路で見た、あの「幻の道」をこの足で渡ってみたいからのう。
つづく
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