春の池 part1
世間ではやれ春だ、それ桜だと、かまびすしいことじゃのう。
しかしワシの地域では春はちょいとばかり遅れてやってくるのじゃよ。
世間様に惑わされないように、しばらくは我慢していたのじゃが、新聞、TVにそそのかされて、とうとう我慢しきれず出かけてしまったわい。
行先はワシの住処から約1時間の、毎年出掛ける公園なのじゃがのう。
確かに今を盛りと誇らしげに咲いているのじゃが…
わしゃあどちらかと言えば、盛りを過ぎてちらりほらりと散り始めたころの方が好きなのじゃよ。
最初に小さな睡蓮の咲く池へ来てみたが…
やはり散った花びらの数が少ないわい。
もうちょいと数が多いと風情があるのじゃが。
おや?
名前は分からぬが、無数の稚魚がうようよ泳ぎまわっているわい。
昨年は見られなかったのにのう。
お前たち、そんなに集まっていたのでは「3密」じゃぞえ。
この公園でいちばん大きな池へやって来た。
池のそばの広場のあちらこちらでは、テントを張って花見を楽しんでいる人がござるわい。
これも昨年までは見られなかった光景じゃ。
池の畔にはかなりの数の桜が植えられている。
満開の桜と、芽吹いたばかりの柳が影を落とす。
春らしい光景じゃのう。
この朱色は池に架かる赤い橋の影じゃ。
この辺りはかなりの花びらが見られるのじゃが…
ほかはほとんど花びらが見当たらない。
やっぱりもうちょいと後日に来ればよかったわい。
花筏が見たかったのじゃがのう。
池面がちと殺風景じゃわい。
ムム?
ホントかいな!
去年はヌートリア、今年は猿じゃと?
ここはそんなに山の中ではないのじゃがのう。
去年見かけたヌートリア
ヌートリアに代わって今年は猿と来たか。
しかし今日のところはカワウが幅を利かせているわい。
つまらんのう。何ひとつ「エモノ」なぞないわい。
しかしこのままおめおめと帰るわけにはまいらぬぞえ。
こうなったら帰りがけに、いつものお寺の池にでも立ち寄って見るかのう。
撮影 4月5日
つづく
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