滝・虹と光芒
またまた「思い出写真2021」の続編じゃ。
「思い出写真2021」のコンセプトである、「以前に通ったことのある撮影地にもかかわらず、近ごろはまるでご無沙汰してしまっている場所」はまだあるわい。
そのひとつが岐阜県飛騨市の山あいにある巌立峡の滝じゃ。
巌立とは約450万年前に御嶽山から流れ出た溶岩が固まって出来た絶壁を言い、その辺り一帯を巌立峡と名付けられている。
先日このブログでもUPした長野県の開田高原は、御嶽山を挟んで反対側に当たる。
さてー
今の季節に撮影した巌立の全景を紹介しようと思ったのじゃがその画像が見当たらないのじゃよ。
仕方がないからフィルムカメラ時代に撮影した画像をスキャンしてみたのじゃ。
しかし冬に撮影したものじゃから雪がちょいと積もっていて、この季節には合わぬがお許しくだされや。
これが巌立なのじゃがのう。画面ではうまく表現できぬのじゃが、実物を正面から見ると圧倒されるわい。
ここからはデジカメで2013年7月に撮影したものじゃ。
まさにその名の通り、垂直に「巌」が「立」っているわい。
全面が柱状節理じゃな。
ツツジが一株へばりついている。
ここは左右から溶岩流がぶつかって、そのまま固まったのじゃろうかのう。
ところでワシのお目当てはこの巌立ではないのじゃよ。
ここからさらに狭い山道を奥へ入って行くと滝があるのじゃが、そこが今日のお目当ての滝というわけじゃ。
山道をしばらく進んで行くと道際に2、3台駐車できる空き地があって、そこからは滝の流れている谷底へ降りる急で狭い階段がうねうねと伸びているのじゃ。
車を停め、器材を抱えてその階段をそろりそろりと歩を進めると、滝音とともにやっとお目当ての滝が現れるという具合じゃ。
こんな滝なのじゃがのう。
ここも周りは全部柱状節理で形成されているわい。
三脚にカメラをセットしてしばらく待っていると・・・。
やがて午後の光を浴びて、滝しぶきの中に忽然と虹が現れた。
お天道様の移動とともに、虹の位置も微妙に変わって行く。
一通り撮り終わって、その晩は車を停めた空地で車中泊じゃ。
周りは鬱蒼とした森の中じゃ。暗闇の中でディナー(?)を食していると、どこからともなく獣の声が聞こえてきたことを今でも覚えているわい。
あくる朝はヘッドランプを点け、まだ薄暗い中をふたたび河原まで降りて行った。手すりを握りしめながらそろりそろりと慎重にのう。
暁闇の中で待つこと暫し。
やがてお天道様がお顔を出されると、
滝しぶきを浴びた朝光が光芒となって降り注いできたわい。
お天道様の上昇とともに光芒の角度も変わって行く。
この滝は午後には虹、朝には光芒と、同じ場所で2つの光景に巡り合えるうれしい場所じゃ。
この‟一度で二度おいしい滝”へまた行ってみたいと思いながら、河原へ降りて行く急な階段を思うとなかなか決心がつかないのじゃよ。
加齢とともに足腰がおぼつかなくなってきた今となっては、これも夢のまた夢かもしれぬわい。
皆の衆も足腰のしっかりしている今のうちにこそ、将来のためにせいぜい体を鍛えておきなされや。ワシのように歳を取ってから後悔しないようにのう。
無断転用禁止





















