ひそやかに晴れ姿 | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

前回のつづき

 

ひそやかに晴れ姿

 

 早朝の光が射し込む森の風景を撮り終わったワシゃあ、帰り支度を始めたのじゃが…。

 

 ところがそばには陽光に照らされたツツジが満開に咲き誇っていて、「私も撮ってよ」と言わんばかりに光り輝いているのじゃよ。

 

 

 花たちがここを先途と晴れ姿でアピールしているというのに、観客はワシのほかにはだ~れもいないのじゃ。

 

 辺りは森閑として、耳を澄ますと聞こえるのは、わずかに吹き渡る風音ばかり。

 

 よ~し。

 

 わしゃちょいとばかり疲れているのじゃが、こんなにかわいい花たちを見捨てて帰られようか。

 

 待っていろよ。今撮ってやるからのう。

 

 

 

 

 

 

逆光で撮る花びらは透けてきれいじゃわい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これだけ撮っておけば、花たちも満足じゃろうて。

 

 今度こそホントにおいとましようかのう。お天道様も大分昇られたことじゃしのう。

 

 ジャーナリストの樋口恵子さんが、健康寿命を過ぎて平均寿命に至るまでの年代をヨタヘロ期と名付けられたのじゃが、ワシもまさにその年代の真っただ中じゃ。

 

 今日は早朝から駆けずり回って、もうヘロヘロじゃ。それではヨタヨタと帰るとしようかのうバイバイバイバイ

 

撮影 5月31日

 

 

無断転用禁止