早朝に電話が鳴り響いた! | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

早朝に電話が鳴り響いた!

 

  電話♬♬♬♬♬♬♬♬♬

              アップ

  突然、枕元の電話が鳴り響いた。

 

  午前6時じゃ。

 

 わしゃあ昨日の撮影行きで疲れてしまい、ぐっすり寝込んでいたのじゃよ。

 

 こんなに早くから電話してくる奴は何処のどいつじゃ!?

 

 📞「おい、霧が出ているぞよ。早く起きろい!」

 

 電話の主は高校時代の友人じゃった。

 

 かつては10人近くいた友人の中で、彼は唯一の生き残りじゃ。

 

 ワシが霧の写真を撮りたいと、かねてから彼に話していたからのう。

 

 それを覚えていてくれたのじゃ。ありがたいことよのう。

 

 寝ぼけ眼で車に乗り込んだのじゃが、さて突然のことじゃからどこへ行ったらいいのかさっぱり分からんのじゃよ。

 

 取りあえず友人の家の付近へ行き、お天道様に向かってシャッターを2、3回切ったと思ったら、みるみるうちに霧は消えてしまったんじゃ。雲散霧消とはこのことじゃ。

 

 お笑いくだされ。霧の中で撮れた唯一の写真がこれじゃよ。

 

 あっという間に日常的な光景に戻ってしまった田んぼ道の真ん中で、わしゃポツンと立ち尽くしていたわい。

 

 しかしこんな写真一枚だけでおめおめ引き下がるのもシャクじゃのう。

 

 そういえばここから20分ほど先に高原(というほどのものではないのじゃが)がある。

 

 何のお目当てもないが、この際じゃ、ちょいと覗いてみるとするか。

 

 

 折からの朝光に照らされて、ススキが輝いていたわい。

 

 

 

 木々の間から朝光が差し込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 森の中の小さな流れ。

 

 

  めくらめっぽうシャッターを切りまくったら気が済んだわい。

 

 いったんカメラを手にしたからには、霧の写真1枚だけじゃあ寂しいからのう。  

 

 大した写真にはならなかったが、わざわざ電話を掛けてくれた友人には

 

 「お前のお陰で傑作が撮れたぞ」

 

 とでも言っておこうかのうグラサン

 

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