成果や如何に | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

 前回のつづき

 

 翌朝・・・

 

 アラームで目を覚ました。

 

 暁闇の中で目を凝らすが、霧は出ていない。こりゃダメじゃわい。

 

 それでもとりあえずは現場に直行じゃ。

 

 おっと、その前に血圧降下剤を忘れずに飲まなきゃのう。

 

 年寄りは大変じゃぞえ。

 

 

 

 道路わきの気温計は9度を示している。

 

 こんなに高い気温じゃあ霧も雲海も、まあノーチャンスじゃて。

 

 せっかくこの一瞬のために、したくもない車中泊までして臨んでいるのにのう。

 

 盆地の中に集落の灯が見える。

 

 空が赤くなってきたが、あの黒い雲が邪魔じゃわい。

 

 

 太陽のお出ましじゃ。

 

 霧が出ないから、まともに太陽を撮ったら、ゴースト(注1)フレア(注2)の満艦飾になってしまうわい。

 

 従って太陽は避けて、周りのススキや山を撮るしか術はない。

 

  朝光をまともに受けてススキが輝く。

 

 

 とうとう何の収穫もないまま、今朝はこれで“店じまい”じゃ。

 

 またのお楽しみとするか。

 

 

 さてと・・・

 

 それじゃあ気を取り直して、昨日見ておいた、例の高原の一本木を視察して来るとしようか。

 

 木を見に行く前に、前回にも撮った池の中の切り株を覗きに行こうかのう。

 

 

 朝陽を浴びた切り株も、これはこれで面白いわい。

 

 

 そばに咲いていたマムシ草を絡めてパチリ。

 

 

 さて、朝の一本木の紅葉状況は如何に・・・

 

 ん・・・?

 

 晴天の中で目を凝らすと・・・目

 

 こりゃあ紅葉というよりも、もう枯れかかっているじゃないかえ!

 

 昨日見た時、色づいていると思っていたのは、茶色になって枯れかけていたんじゃ。

 

 

 ということは、今年は紅葉しないまま、枯れちゃったというわけかいな!

 

 今まで何度も下見に来て、紅葉するのを楽しみにしていたのにのう。

 

 また来年の持越しになってしまったわい。

 

 

 わしゃあこんな光景を期待していたのにのう。

              (約10年ほど前に撮影したもの)

 

 今年もまたすごすごと引き下がることになったわい。

 

  ではサラバじゃ。                           

 

 

 注1ゴースト 写真用語。逆光時などに強い光が入ると、レンズ内で反射した光が絞りの形や楕円などとして写る、光の像のこと。

 

 注2フレア 写真用語。光が入ると、レンズやボディの中で光が反射して、画面にカブリやムラが出る現象を言い、画面が白っぽくなってしまう。

 

 カメラマニアには分かりきった用語じゃが、カメラにはなじみの少ない方にも訪問していただいているので、蛇足ながら書かせていただいたぞえ。