前回のつづき
夜明けがきた。
これから冬に向かっては、日の出時刻が遅くなるからちょっとは寝坊ができるわい。
強風で霧が流れ、朝焼けが霧の間から時々顔をのぞかせる。
西空へは満月が沈んでいく。
霧やら雲やらで、垣間見える程度じゃ。
明るくなるにつれてチカラシバが徐々に見えてきた。
じゃが、強い風が吹き、おまけにまだ暗いためにシャッタースピードが遅くなり、チカラシバはブレブレじゃわい(またも言い訳)。
ふむふむ。
チカラシバが朝色に染まってきたわい。
もう少し下の方へ降りて行ってみるか。
昨日見た、柵の近くじゃ。
ここは山の影になっていて、まだ暗いのう。
遠くの方は日が当たっているぞえ。
やがて・・・。
やっとここにも朝の光りが・・・。
逆光を受けて穂先が染まってきたぞえ。
しばらく撮影してから、また元の位置によたよたと戻ってきた。
上の方から眺めると、金色に輝くチカラシバの大群生が見事なんじゃが・・・。
風景写真派としては、ああいう人工物は気になるぞえ。
どう考えてもありゃあ無粋じゃわい。
何とかならんもんかのう。
太陽の上昇とともに、辺りはだんだん日常的な光景に戻ってきた。
雲や霧もどんどん消えていく。
この辺りで今日の撮影もそろそろ"店じまい”じゃな。
車の周りもチカラシバだらけ。
7時過ぎでもまだ10度じゃ。
これからはますます寒くなるのう。
これからの季節は氷点下10度ぐらいの撮影は当たり前じゃからのう。
老体に鞭打って、車中泊しながらまだまだがんばるぞえ。
付録
今日は晴れているから色合いがよく分かった。
やはりまだまだじゃのう。
今年の秋は遅れているようじゃのう。
また来るわい。
完