高ボッチ撮影行きの顛末 | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

 翌朝。

 温度計は11度を示している。ダウンジャケットを着こんだ。

 

 ただ、起きてはみたものの、この辺りじゃあ撮りたいブツがないんじゃよのう。

 例の諏訪湖越しの富士山はあるんじゃが、これは今までに無数のマニアが撮りつくしているしのう。

 

 朝は鉢伏山で撮影をする予定じゃったのに、通行止めを食ったおかげでまるで狂ってしまったわい。

 

 仕方がないから適当な場所に三脚を置いて日の出を待ったわい。

 西の空を残月が沈んでいく。

 

 広い駐車場もガラガラじゃ。

 カメラを構えている人なんぞ誰もいないわえ。

 

 東の空が明るんできた。

 西側もうっすらと紅色じゃ。

 

 しばらくして、辺りが明るくなってきたので、何気なく鉢伏山への登り口を眺めたら・・・

 ムムッ・・・?

 こりゃどうしたことじゃ?

 鉢伏山の登り口は閉鎖されていないじゃないかい!ポーン

 ゲートが取り払われているぞえ。

 下の写真は昨年の秋に閉鎖されたときの状態じゃ。

 実は高ボッチへのルートは2つあってのう。

 青い標識の見えるところがもう1つのルートじゃ。

 どうもそのルートから来れば鉢伏山へ登って行けたらしいのじゃ。

 

 それならそうと、ワシが来たルートにそのことを表示しておいてもらいたいもんじゃわい。

 

 今になってワシが怒ってみても、時すでに遅しじゃ。

 出直すより仕方がないわい。

 

 日の出じゃ。

 

 鉢伏山の方はすごい雲海じゃ。

 返す返すも残念じゃのう。

 新緑が映える。

 もうこれ以上ここにいても時間の無駄じゃ。

 撤退じゃ、撤退じゃ。

 

 と、帰り道を降りて行くと、昨日とは違う場所にも標識が立っていた。

 何気なく見てみたら・・・

 な、なんじゃ、こりゃあ!ポーン

 標識に張り紙がしてある。

 「尚、鉢伏山へは崖の湯経由で通行できます」じゃと?

 崖の湯とはもう一つのルートのことじゃ。

 

 こりゃおかしいぞえ。

 ワシが昨日見た標識は下の写真じゃ。

 これにはそんな但し書きなぞ一行も書いてないじゃないかえ。

 

 こりゃおかしいぞえ。

 絶対におかしい!

 標識によって情報が違うなんて、どう考えても道路を管理する側のミスとしか思えないわい。

 

 紅色に染まる雲海を、指をくわえて見ただけになってしまった悔しさをどうすることもできず、やけ酒ならぬペットボトルの水をがぶ飲みしながら山を下って行ったのでありました。 バイバイ