初雪は自宅で
無断転用禁止
いつもの年よりちょいと早い寒波が襲来するという12月初旬のことじゃ。
待ちに待っていた雪が見られるわいと、わくわくしながら数日前から天気予報を気にしていたのじゃよ。
ところが寒波到来予定前日の気象情報を見た限りではワシの地域は降雪予想地域からチトはずれてしまっていたからのう。
前夜の就寝時にはあきらめムードで寝てしまったのじゃわい。
ところが翌朝、何気なく窓を覗いてびっくり仰天。
庭はうっすらと雪化粧していたじゃよ。
それほどの大雪ではないのじゃが、庭の植木や雑草までも雪を被っていたわい。
出しっ放しにしておいた車の屋根も真白になっていたのじゃ。
待望の雪が降ったのじゃから何をおいてもすぐに飛んで行きたいところなのじゃがのう。
しかし一旦、前日に萎えてしまった写欲を、今朝になって急に取り戻すのはなかなか困難なのじゃよ。
それに降ったとは言うものの、この程度の雪では撮影ポイントへ行かぬうちに溶けてしまうわい。
前日の予報に降雪マークでも付いていればその気になってあれこれ車中泊の用意をしたのじゃがのう。
近年、予報精度はかなり高くなったというが、現状では「大当たり」とは言い難い時がかなりあるわい。
今までに何度裏切られてきたことか。
こうなったら今日は庭の雪景色でも撮ってうっぷんを晴らすことしかできぬわい。
ということでカメラを取り出してはみたのじゃが、何しろ写欲が湧かないために庭へ出るのも億劫でのう。
不精にも窓際の椅子に居座ったまま、窓から見える範囲をパチリパチリやりだしたのじゃ。
傍らのツバキがうっすらと雪化粧。
義妹がくれたハコネウツギも負けじとおめかしじゃ。
この薔薇も義妹がくれたのう。
訳の分からぬ写真じゃわい。
これは庭用の椅子が車のリアウインドウに映り込んだところじゃ。
白いラインはリアウインドウのワイパーに積もった雪。
奥のほうに見えるサザンカも雪を積んでいるわい。
窓際の一輪。
棕梠のてっぺん辺りにようやく朝の光が射し込んで来たわい。
庭園灯にも光が射して……
お隣りさんの屋根からお天道さまのお出ましじゃ。
途端に庭の植木にもお天道さまのお恵みが。
車のルーフにも陽が射して……
庭の樹々も明るくなった。
何でもない枯れ葉でも光が当たると華やかになるのう。
小さな草にまでまんべんなく光が行き渡る。
早くも溶け始めた車体の雪。
日陰の木々はまだ被ったままじゃ。
薔薇の傍らに射し込んで来たスポットライト。
薔薇の雪もあっという間に溶けてしまったわい。
さて、いつまでも不精して椅子に居座ってばかりいないで、ちょいと庭へ出てみるか。
と、重い腰を上げてヨタヨタと。
今ごろになって外へ出て来ても、雪はとっくに溶けてしまっているわい。
もうちょいと早く腰を上げればよいものを、いつまでも不精しているからじゃ。
薔薇の背景のピンク色はサザンカじゃ。
これがそのサザンカ。
雪はもう跡形もない。
散ってしまったサザンカもあるわい。
苔の上には残り雪。
最後は窓のカーテンの前の南天を撮って不精撮影はおしまいじゃ。
雪が溶けた今ごろになってノコノコ外へ出て来てももう遅いわのう。
こんなことなら昨日からどこかで車中泊をして今朝を待てばよかったのじゃよ。
しかし昨日の予報ではまさか雪が降るとは思えなかったからのう。
しかし天気予報のせいにしてはいかぬわい。
お前が不精して車中泊しないのが最大の原因じゃ。
無断転用禁止



























