--Grotta Azzurra--


ナポリ-カプリ間ひたすらにビールを呑み続けた。

口髭のおっちゃんは陽気で楽しかった。

なんだ船酔いなんて怖く無いじゃん。ひょっとして船酔いなんて気のせいか?

あひゃひゃうひゃひゃと笑っていると船はカプリ島へと到着した。


「皆さん、ついてますね!今日は青の洞窟に入れます!!!」

ガイドがそう言うと一同"おおー"と喜んだ。

オレはというとすっかりいい気分で洞窟なんてどうもよくなっていた。

「この辺に居酒屋でもないかね?」

赤ら顔でそんな気分だw


さて、船の乗り換えだ。

船酔いはもう大丈夫だろう。こんだけ酔えば心配ないはずだ。

さっきよりも小さな船に乗り換えてカプリ港を出港。


潮風がここちよく頬をなでる。うん、船上もなかなか気持ちいい。

ただ、この船ちっちゃいモーターボートだからビールが置いてないのが残念なんだよな。

ま、仕方ない。戻ってきたらまた呑むとしましょう。

10分も海の上を走ると青の洞窟の前に着いた。


ここでちっちゃなゴンドラに乗り換えて青の洞窟へ突入するらしい。


しかし、本日は1/3の確率で青の洞窟に入れる日。洞窟前は入場待ちのボートでいっぱい。

ごたぶんに漏れず我々のボートも順番を待つことに・・・

海の上で待つなんてそれこそ船酔いしそうだ・・・


しかし、待っていたのは船酔いではなかった。

「しょ、しょんべんしてえ」

激しい尿意がオレを襲う。もちろん小さなボートにはトイレなんてついていない。

周りは海だが初対面の人ばかりの前でそんな事を出来るはずもない!


しまった、完全にビールを呑みすぎたorz

船酔いなんてどうでもいい。オレをトイレに連れてっておくれ!


順番待ちの時間にボートは島の周りをいろいろと案内してくれる。

ここはあーだの、そこはあーだの。ガイドが丁寧に説明してくれる。

スイマセン全然覚えてません!!余裕まったくありません!!


みなさん楽しそうに説明を聞く。いや、いいから!そんな説明いいから!

早く青の洞窟へ!早く帰港してください!僕の膀胱は限界です!!


遠き国イタリア。

地中海の真珠 と言われる美しき島の海上で尿意と戦う32歳独身の日本人。

どのくらい待ったろうか?

30分程度だったのかも知れないがオレには数時間にも感じた。

ついにゴンドラに乗り換え青の洞窟の中へ!

写真暗いしorz

だが、実際は青い!とにかく青い!それよりもションベンが・・・

洞窟内には数艇のゴンドラ。陽気に歌など歌う船頭。

ああ、もういいから。歌とかどうでもいいから!楽しむ余裕とかないから!!

チップを多めに渡すと長めにいてくれるらしいが今のオレにはそんな余裕はなし。

とにかく早く洞窟を出てくれ!そして港へ!!!


なんとか尿意を抑えきり、船は無事帰港。


青の洞窟を楽しみたい方。

酔い止めよりもトイレに行っておく事が重要です。


--Autostrada del Sole--


朝からパニーニ食べてカフェラテ飲んですっかり気分はすっかりローマ人w

しかし集合場所に戻ってみたなら辺りはみんな日本人orz

うーん、これでは海外旅行とは言えないのではないか?

「ふん、オレはお前らとは違うのさ」

と、いきがった態度でバスに乗り込んでみるも、どう考えても同じ人種。


そんな日本人ご一行様を乗せたバスは、高速道路を目指し狭いローマの道をびゅんびゅんと走る。

昨日歩いてまわったローマだけれど車から外を見るとこれはこれで新鮮だ。

「ローマの街はこれ以上建物を建てたり潰したりしません。そういう風に法律で決まったのです。

この先何年経とうともローマの街は今の姿を残すでしょう」

バスガイドが日本語で言う。


ふーん、なるほど。これはいい事だな。

景観を気にせずにバンバンとホテルを建てたどこかの街にも聞かせてやりたい。

そう思いながら窓の外を見ると朝日に照らされた石畳。歴史のある建物の数々。

もし、オレが30年後にまたローマの地を踏むことになろうともこれは変わらない。

オレが年を重ねて変っていってもこの街は変らない。カッコいいじゃねーか、ローマ!


そんなローマの街を抜けてバスは太陽高速道路 へ。青の洞窟へ向けてひたすら走る。

しかし、なんだ、運転荒いなイタリア人は。おっかないったらありゃしない。

青の洞窟があるカプリまではローマからどうやら3時間程度の旅。

うーん車酔いしそうだ。


早起きだからか時差ぼけか?うとうととしながらガイドの説明を聞く。

外の景色はとても綺麗だ。黄色の花が咲き乱れ。原色オンパレード。

ガイドの話に耳を傾け歴史や経済について学ぶ。うーん、ホント何も知らんなオレw

アッピア街道 とかいう有名な道らしい。

まあ、大して興味はない。道だしなw


「ナポリに着きましたら船に乗り換えてカプリ島へ行きます」

ガイドは言う。へー、カプリ島ってナポリから行くんだ。ナポリタンのナポリね。

「次にカプリから船を乗り換え青の洞窟へ向かいます」

ちょっと待て!オレ船酔い番長なんですけど!!船の乗り換えとか無理じゃね?

「さらに洞窟付近でゴンドラに乗り換え青の洞窟に入ります」

オイ!!!2回も船の乗り換えあんのかよ!!死んだな、オレ。吐くな間違いなく・・・

「海の状況によりましては青の洞窟に入れない場合もありますのでご了承ください。

尚、入れる確立は30%程度です」

1/3かよ!!!もういいや。むしろ船やだから入れないほうがいいかも・・・


などとやたらめったら不安になりながらバスはサービスエリアへ。

船に酔うなら先に酔ってやるとトイレの合間にビールビール。

いつのんでもウマイから不思議だ。不安も少しは取り除かれた。


ビールが入ったせいなのか荒い運転はだいぶ気にならなくなった。

単に慣れただけだとは思うがw

そうこうしているウチにバスはナポリへ。そしてついに港へと着いた。


うーん潮風が気持ちいい・・・わきゃねーよ!死刑執行寸前の気分じゃ!

船やだよ。乗りたくねーよ。少しならいいけど乗り換えとかしたことねーよ。ばかじゃねーの。

「船が来るまで少し時間がありますので、皆様しばらくこの辺りでお待ち下さい。トイレはあちらです」

トイレに行ってフェリー乗り場辺りで待てって事らしい。

このおっちゃんは乗り場でナッツを売ってた。売れんの?

ん?ナッツ??ナッツといえばビール!そういえば港入り口付近にバールあったな!

確かここいら辺で見かけた。


よっしゃ、船より先に酔ってやるぜ!まってろよ!船!


と、集団を離れバールへ移動。迷わずビールを注文。

さっき呑んだビールとあいまってちょこっとほろ酔いいい気分。コレなら船も怖くない。

つか、もうナポリでよくね?ナポリもカプリも似てるしさ。

青の洞窟は日本帰って日清のヤツ食えばいいじゃん。うん、それでいいよ。


などと馬鹿話をしてると

船来ちゃった・・・・仕方が無い覚悟を決めて乗り込むか・・・


吐く覚悟にて乗り込むとそこには売店があった。

よっしゃ!船よまだ走るな!売店の口髭生えたマリオみたいなおっちゃん!

オレにビールをよこすんだ!船酔いする前に早く早く!!

--Panino--


気がつくと朝になっていた。

確か夕べテルミニで食事して、帰りがけにワインとかを駅の地下で買って・・・

むむっこの辺りか記憶が曖昧だ・・・またもバックス のいたづらか?


しかし、二日酔いには日本にいるときから慣れている。

この程度でバックスごときに負けるはずが無い。

こっちにゃ古事記にも出てきた久志能加美 がついてるんでい!


実際それほどまでにひどい二日酔いでもなかった。

熱いシャワーを浴びていると酒も疲れもすっかり抜け、体が完全にリセットされたようだった。


さあ、今日も出かけよう!

ばさばさっと頭を拭き、ぱぱっと服を着替えホテルを飛び出した。


本日の目的地は「青の洞窟」 だ。


イタリアへ旅立つ前に日本でこんな会話をした。

「ノムラ、今度イタリア行くんだって?」

「ああ、骨休めにパスタでも食いに行ってくるわ」

「行く店とか決めたの?」

「ぜんぜん。でもアレだな、せっかくだから日本でもCFやってる『青の洞窟』 とやらには行ってみたいよな」

ちょwwwwノムラwwwwwそこパスタ屋じゃないぞwwwww」


なんとびっくり青の洞窟はパスタ屋ではない!じゃあ、日本で宣伝しまくってるあれはなんなのよ?


「し、しってるよ!なんつーんだ、あの辺でメシ食ったらうまいかな?って話だよ」


平静を装ったつもりだがときすでに遅し、爆笑されてしまった。

日清さんのせいでえらい恥をかかされたorz


しかし、そこまで言い張ってしまった以上、行ってやろうじゃないか青の洞窟。


てなわけでホテルを飛び出し地下鉄に乗って再び集合場所のテルミニ駅へ。

本日のツアーは日本人ガイド付きツアーなのだ。これなら迷う事もあるまいw


集合場所へ行ってみると同じツアーを選んでる日本人がいっぱいいるではないか。

ひとまずツアーの手続きをすると

「出発まで30分ほどあるのでしばらくお待ちください」

ちょっと早く着きすぎたな。日本人は時間に正確だ。

と、周りを見回す。

別に日本人が嫌いなわけでもなんでもないのだが、ペチャクチャと聞こえてくる日本語何か違和感。

ローマの真ん中に集まる日本人の集団がこれまた違和感。

むぅ、なんだか非常に居心地が悪い。なんだろうコレ?どうにもこうにも居心地が悪い。

なんだかローマの人に申し訳ない気持ちだ。


居心地の悪さがどうにもならなくなったオレはふらりとその場から離れた。

とりあえず30分後に戻ればいい。そう思って日本人の集団の見えないところへと離れていった。


そこから歩いてすぐのところにバールがあった。

ちょうどいい。朝飯も食ってないし、ここでコーヒーでも飲んで時間をつぶそう。

中には陽気なおっちゃんが一人いた。昨日学んだようにレジでお金を払いレシートを持ってカウンターへ。

するとカウンターにはやたらうまそうなサンドイッチがあるではないか!

やれくれ、これくれと伝えサンドイッチをもらう。

すると、「カプチーノ?カフェラテ?」なんて聞いてくる。


ああ!これだ!なんだか海外旅行に来た気がしてきた!!!

さっき感じた違和感はこういうものだったんだ!!きっとこういう旅がオレにあってるんだ!

考えてみれば集団行動が苦手なオレが集団と一緒にいようと思う事が間違いだったなw


このパニーニは旅で一番うまかった


しかし、お金も払ってしまったオレは30分後にしっかりと集合場所に戻っていた。

集団行動ぜんぜん出来るじゃんオレw