今日は「熱海殺人事件 NEW GENERATION」を見てきました。
場所は新宿 紀伊國屋ホール。
この劇場にはちょっと縁がありまして、行くたびに身が引き締まる思いがするのです。
さて、本題のお芝居の話。
熱海殺人事件は1973年の初演より姿を進化させながら時代を超えて上演されてきた舞台で、多くの人に愛され続けてきた演目です。
特に紀伊國屋ホールでの上演はつか本人が必ず演出を手がけており、特別なものとなっています。
今回の公演は「つかこうへい復活祭」と題して、2011年につかの逝去直後の上演に続き、つかこうへいの代表作である熱海を紀伊國屋の舞台によみがえらせるもの。
演出はつかさんの右腕であった岡村俊一さんがやっています。
今回は、熱海史上最も若い24歳で主役を演じる味方良介、そして 1986 年映画版でヒロインを演じた志穂美悦子の娘、文音が30年の時を越えて舞台版のヒロインを務めるということで、そこも注目のポイントでした。
特に味方さんは以前これもまたつかの代表作の一つである「幕末純情伝(上演題は新・幕末純情伝)」で桂小五郎を好演し、自分的にはかなり期待をしてたのですが、而、味方さんの怪演っぷりは進化しており、時に禍々しい威圧感を感じるほどでした。
つかさんの舞台ではクライマックスに派手な照明と爆音の中で役者が正面に向かって叫ぶシーンが必ずあるのですが、今回もコレにしびれた。
味方さんの見得の切り方がホントかっこよくてもう。
つかさんの舞台は非日常を描きながらも人間の本能や情とは何なのかということをこれでもかと言わんばかりに見るものに訴えかけます。
不条理で不自然なストーリーのなかにあって、それでいて見るものを心の奥底からぐいっと引き込んで離さない熱量と魅力。
一方で、途中途中で繰り広げられる茶番も観客を飽きさせず、かといって筋の邪魔とならないテンポの良さで、この柔と剛を兼ね備えているところが、真のエンターテイメントたる所以だろう。