今日は劇団「アマヤドリ」の「ロクな死にかた」というお芝居を見てきたので、そのお話。
アマヤドリは広田淳一さんという方が主宰・作・演出を手がけている劇団で、前身の「ひょっとこ乱舞」から数えると現在17年目という中小劇団の中ではなかなかシニアな団体です。
先日、下北沢・本多劇場での公演を成功に収め、(自分のような素人が言うのも大変おこがましいのですが)今、勢いのある劇団だと思っています。
アマヤドリさんの作品の特徴に“群舞”があります。
群舞というのは読んで字のごとく、人が群れとなって舞うのですが、演劇で言う群舞は主に役者や配役とは別のダンサーが演技の中で踊ることを言います。
踊りと言っても、いわゆるダンスとはまた違った、演技の延長にある踊りです。
これがアマヤドリさんのお芝居の中では違和感もなくスッと溶け込んでいて、まさに演技の一部として演じられます。
アマヤドリさんでは役者が一般的なお芝居よりも多く(10~20人)、多人数での息の合った群舞はまさに圧巻で、ぐっと惹き込まれるものがあります。
この群舞ではセリフはなく音楽に合わせた役者の動きと、足音等の役者が出す音が空間を支配し、場を構成します。
また、アマヤドリさんでは生や死を扱うことが多く、非常にナイーブな問題を不条理と不自然さと複雑な人間の心情が織り交ざった独特の世界観で表現します。
その世界観は一見受け入れがたいもののように感じるのですが、見ていくうちに何故か共感だったり、苛立ちだったりと、観客の心を揺さぶります。
今回の「ロクな死にかた」でもこれらの魅力は遺憾無く発揮されていました。
テーマは題名にもある通り「死」。
大切な人の死を受け入れられない人、自分の死を夢想する人、死を乗り越えようとする人の思いや現実が絡まり合いまた不思議な物語が紡がれます。
今回もまた感情をもみくちゃにされながら、心地よい疲れとともに帰ってきました。