60歳台の女性の話です。
全身の痛みと疲労倦怠感が著しいので、標記の様に線維筋痛症と慢性疲労症候群が合併している状態と診断しております。
痛みの指標であるJFIQ が100点、疲労倦怠感の指標であるperformanse status が5の状態で治療を開始しました。
JFIQの点数が90点を超える状態では通常の治療では効果が出にくことが判明しておりますので、治療時間を通常の30分ではなく、60分に延ばして治療することを患者さんに提案しました。
治療すると身体が楽になることが実感できたので、快く承諾していただきました。
物理的な刺激とは、綿花を利用した、まだらめ式間接灸と気診治療の組み合わせです。
身体を物理的に刺激する治療法は様々な刺激法があります。
どういう順番でどのような刺激をするかは大変重要な問題になります。
それはその刺激の仕方が患者さんごとに異なっている可能性が高いからなのです。
以前ある患者さんを改善させた治療法が、別の患者さんでは全く歯がたたないこともよくあることなのです。
この患者さんには治療時間が長いため、いろいろな組み合わせで治療法を試すことが出来ました。
当初はこれ以上悪い状態はないといって間違いない状況でした。
つまりJFIQ 100点でした。
治療開始後約3ヶ月になりましたが、JFIQ 70点、治療後にはJFIQ 50点まで改善してきました。
線維筋痛症としてはまだ重症の範疇に入りますが、まもなく中等症になろうとするところまで改善してきております。
薬物治療を様々に受けてきた患者さんですが、全く効果がないだけではなく、副作用のため続けられなかったというのが実情です。
今に至るまで薬物治療では効果は期待できないのが線維筋痛症と考えて、大きな間違いはないのが実情です。
当クリニックで行なっている物理的な刺激で線維筋痛症は治せるのですが、JFIQが90点以上の場合にはこれまで治療効果が乏しかったのです。しかし、究極に悪いJFIQ 100点の患者さんでも治療時間を伸ばすことで解決できそうになってきました。