コロナ後遺症の患者さんの話 | 湯たんぽのブログ

湯たんぽのブログ

 さまざまな難病治療にいわゆる代替医療を用いて対処している『湯たんぽ』が日頃考えていること、経験していることを書きます。難病のなかでも、線維筋痛症や慢性疲労症候群の病態や治療を中心に書き込みます。

 50歳台後半の女性の話です。

令和4年5月にコロナに罹患。その後から様々な症状がでてきました。

微熱、悪心・嘔吐、全身の痛み、蕁麻疹、歩行障害、眼瞼痙攣、不眠などです。大学病院で沢山の検査を受けましたが、異常なし。

症状は徐々に増悪し、仕事は完全に休業状態。日常生活もままならない状況です。

コロナ後遺症外来を行なっている数箇所の病院・クリニックを受診しましたが著効なく、懇意にしている医師が様々な検索をした結果当クリニックに紹介となりました。

 

疲労倦怠感の指標であるperformanse status は8、痛みの指標であるJFIQ は86点とともに重症でした。

コロナ後遺症から慢性疲労症候群に移行し、線維筋痛症を合併している状態と診断しました。

 

 診察すると全身が冷えております。

左肘が屈曲位のままで、肘が伸ばせない状況でした。

これが1年半も続いているのです。

想像するだけでも大変な、苦痛の日々が続いていたのです。

 

特に目立つのが後頚部・背中・腰・臀部の筋肉の異常なこりでした。

首も左右に回旋、つまり回すことができにくい状況です。

正中線から右には50度だけ顔を向けられましたが、左にはわずか20度しか顔を向けられませんでした。ほとんど左方向には顔を向けられない状態です。

 

  身体を動かすことが非常に辛い状況です。

筋肉のこりが軽減すれば解決できる可能性が高いと考えました。

これまでの経験的には首のスジと称しておりますが、前頚部の刺激で後頚部から背中・腰の筋肉のこりが軽減することが判明しております。

この部位を指で刺激すると痛がります。

それだけここの筋肉が硬く強張っているのです。

この刺激だけで首は右に60度、左に30度顔を向けられるようになりました。

まだまだ横を向くのは容易ではありません。

この部位に綿花を利用した、まだらめ式間接灸で刺激すると右は70度、左は40度まで顔を向けることが出来るようになりました。

同時に後頚部・背中・腰の筋肉のこりが軽減してきました。

お灸をすると筋肉が緩み、楽になったと実感していただけました。

 

コロナ後遺症が長引くと慢性疲労症候群に移行していきます。

慢性疲労症候群は薬物治療では治癒させることは極めて困難です。

身体を物理的に刺激する治療法で治癒させることは可能です。

綿花を利用した、まだらめ式間接灸は線維筋痛症の痛みを治す効果がありますので、このような患者さんには最適の治療と考えております。

 

 これからしばらくは物理的な刺激について書き込んでいきます。

 

青山・まだらめクリニック