人を小馬鹿にする際に「単細胞」という言葉を使うことがあります。
単細胞生物から来ていますよね。
我々人間が代表的な多細胞生物であることから、思考が単純なヒトを揶揄する言葉です。
この単細胞生物、ゾウリムシに代表される細胞が一つしかない微生物のことですが、一般的には数えきれないくらいの種類がある細菌類(バクテリア)のことを指していました。
現在の40代以上の方は、学校でこのように習いましたよね。
過去形にしたのは、現代では、単細胞生物というと細菌類だけを指すことにならないからです。
私は、つい最近までこのことを知りませんでした。
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単細胞生物以外の生物は、植物、動物を含めて全て多細胞生物です。
我々は、中学校、高校でそう習いました。
生物学的には単細胞生物のことを原核生物、多細胞生物のことを真核生物と呼びます。
これを生物の二大ドメインと呼び、全ての真核生物は、原核生物から進化したと習いました。
ところが、現在の中学生、高校生は、そうは習わないようなのです。
1990年、米国の微生物学者カール・ウーズは、これまでの生物の二大ドメインを覆す三大ドメイン説を発表しました。
これまでの唯一の原核生物ドメインと考えられていた細菌類とは、明らかに異なる単細胞生物を見つけたのです。
その名をバクテリア(細菌)に対して、アーキアと名付けたのです。日本語では古細菌と訳されました。
その後、続々と古細菌アーキアの種類が発見され、2000年代に入ると、このウーズの提唱が定説となったのです。
そして、現代では原核生物は細菌と古細菌の二種類に分かれ、それに多細胞生物である真核生物で三大ドメインを構成することになっていたのです。
これを知った時は衝撃でした。
年配の方の多くは古最近アーキアのことjは知らない人が多いと思います。
細菌と古細菌は、太古の昔に二種類に分かれたと考えられていますが、驚くべきは、真核生物に進化したのは細菌からではなく、古細菌であろうと考えられていることです。ゲノム解析でそう結論付けられているそうです。
現在、古細菌の種類は550種類以上見つかっているそうです。細菌の数万種類に比べればまだまだ少ないですが、今後たくさんの古細菌が見つかるのでしょう。
古細菌は、地球誕生に関わっていると考えられていいます。そのくらい古最近の発見は画期的だったのですが、あまり大きなニュースにはならなかったようです。
それは、古細菌を調べて行くと、これまでの常識が覆されて、困ってしまう輩がいるからなのでしょうね。
古細菌、アーキア、この単細胞生物こそ、これからの世の中を変える可能性があるのです。
次回はそのことに触れてみたいと思います。
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