大河ドラマに限らず、幕末や明治維新に関する近代史は、日本人には非常に人気があります。
我々が学校で習う近代史は、その本質が歪められていて国民は表向きの歴史しか知らないとも言われています。
私は、この辺りの近代史は門外漢ですので詳しくはありませんが、実際の史実は表向きの史実とは異なる部分が多いようです。
明治維新は、欧米が日本の今後のシナリオを描き、薩長等の維新派を背後で操りながら、成就させたようです。
英雄視されている龍馬も、フリーメーソンであるグラバーの命を受けて動いていたようですし、明治維新後は、邪魔になったので暗殺されたと言われています。
ただし、明治新政府も欧米から言われるがままではなかったようです。
欧米は完全に日本を植民地化するつもりで開国を要求したようですが、明治新政府は不平等条約を撤廃し、資本主義国家として独立するためにとんでもない奇策を考えたようです。
これについては、小室直樹氏が解説しています。
小室直樹氏は、数学者であり経済学者、かつ政治学者であって日本人で数少ない天才学者と言われつつも、異端児扱いされているようです。
その理由は、小室氏が現代の政治を痛烈に批判しているからのようです。
私は、小室氏の著書で最初に読んだのが「日本人のための憲法原論」だったのですが、非常に分かり易く理路整然と書かれているうえに、目から鱗が落ちるような事実を知り、それ以来、彼の著書をついつい10冊程読みました。
法律、政治、経済、宗教とそれぞれの学問の根源を素人でも分かり易く解説してくれています。
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日本人のための憲法原論
(2006/03) 小室 直樹 商品詳細を見る |
「日本人のための憲法原論」には明治維新前後の背景について書かれています。
当時の欧米国家は、白人国家以外は主権国家として認めていなかったそうです。
南米の国々の原住民は虐殺され植民地支配されたし、中国もアヘン戦争等でぼろぼろにされ半植民地化されたそうです。
欧米諸国は、日本も同じように半植民地化するために開国を要求し、明治維新後、不平等条約を締結させました。
しかし、ここから明治政府は頑張り、欧米に追い付くために資本主義国家を目指していきます。
ここまでは一般的に習う近代史の背景ですね。
小室氏の意見が違うのはここからです。
欧米の資本主義に追い付くために明治政府が行ったこと、それは「天皇を唯一絶対の神」にしたことだそうです。
一般的には、天皇は、初代神武天皇から第二次世界大戦で敗れて昭和天皇が人間宣言するまで、神様扱いと思っていましたが、実は明治政府が天皇を現人神にしたそうです。
国王などの国のトップを神としたのは世界で日本が唯一だそうです。
それまで天皇の立場はどうだったのかというと、
斎主(さいしゅ:神道の祭りに際し、主となって奉仕する者)であり、あくまで人間であった、そうです。
明治政府は、明治天皇を現人神にすることで、日本人に独自の宗教を作り与え、欧米のキリスト教同様に国家をまとめることに成功し資本主義を生み出したそうです。
このことを小室氏は「天皇教」と呼んでいます。
明治政府が、近代国家を作るために「天皇教」という宗教を作り、実際に成功し、日本的資本主義が生まれた。
小室氏曰く「こんな国はどこにもない」そうです。
そのために、古代から長く続いていた神道もその内容を大きく変えられ、一部の神社だけ残して多くの神社が廃止されたそうです。
現在残っている神社も、古代から続いていた儀式は明治時代で途絶えてしまったそうです。
これが、日本の本来の歴史が捻じ曲げられ、異なった形で伝えられている原因の一つのようです。
しかし、明治政府の「天皇教」による日本国家の再興がなかったら、今の日本がなかったのは明白です。
そうでなければ今頃は、間違いなく欧米によって完全に植民地化されていたのでしょうね。
そういう意味では、明治政府のとった国家施策は間違いではなかったのかも知れません。
ただし、真実の歴史認識を伝えようとする事を許さない現代政治の姿勢は、変えなければいけないと思います。
いつまでも国民を洗脳し続けたところで、現在のような行き詰まった日本では、明るい未来はないのではないでしょうか。
早く歴史の真実を明らかにし、明治維新ならぬ平成維新を成し遂げてもらいたいものです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。