金価格の行方 | 知っとうや(真実を求めて?!)

知っとうや(真実を求めて?!)

⚡2900年続いた人類中心文明は、近い将来、五六七(弥勒)時代となり、本来あるべき姿に戻ります。それまでは産みの苦しみが続きますが、見事に成就して欲しいものです。⚡

前回、原田武夫氏の見解として「金の価値は下がる可能性がある」と書きました。
 http://calseed.blog31.fc2.com/blog-entry-77.html

少しばかりですが金投資を行っている私にとっては重要な事ですので、自分なりに分析してみます。

現在の世界の金の総量は、表向きは約15万トンのようです。
 <田中貴金属工業より>http://gold.tanaka.co.jp/first/chisiki/chisiki_01.html

なんと6000年間かけて掘り出された量はわずかオリンピック公式プール3杯分となっています。
世界全体から考えると大変に少ない量で、その貴重さが分かります。

現在の価値1グラム約3500円で計算すると、500兆円を超えるくらいの価値です。

金は年間約2500トンが産出されていますが、これは全体量の2%満たない規模です。
推定埋蔵量は76000トン。約30年で掘りつくす計算になります。

これだけ貴重でかつマネーの性質を持つ金ですから、これから襲ってくる大恐慌では価値が相当上がると考え、私も投資しています。

この金の各国の保有状況は次のようになっています。

【公表されている金準備量:2009年3月時点:FT紙】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
米国     8133トン
ドイツ    3412トン
IMF      3217トン
フランス   2487トン
イタリア   2451トン
中国     1054トン(2003年の454トンから2倍以上に増加)
スイス    1040トン
日本      765トン(長年変わらず:現物は、米FRBに預託)
オランダ    612トン
欧州中央銀行  536トン
他の国    6434トン(ロシア等)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
合計    3万145トン(時価で110兆円相当)



全体の15万トンのうち、各国が金準備として公的に保有しているのが3万トン強となっています。
残りは工業用や私的保有ということになっています。

現在の世界の通貨制度は、1971年のニクソンショックによって、それまでの金本位制(ブレトン・ウッズ協定)が崩壊し、1973年からドル基軸の変動相場制になりました。

したがって、各国が金を保有したとしても直接的には自国通貨の価値には反映しないようになっているはずです。
しかも、現在の世界の年間GDP合計が5000兆円と言われる中、各国が公的に保有している金の総額はたった110兆円です。

特に日本は765トン(2.7兆円)しか保有していません。

これがニクソンショック以来のドル基軸通貨制下でのドル本位制の実態だと思います。

ところが、そのドル本位制が、(故意に)崩れかけており、世界経済大崩壊が迫っています。
当然のごとく、ドル本位制から金本位制の復活と噂され、特にリーマンショック以降は、金の価値がドルに反比例して高くなり(ドルベースでの)最高値を更新しています。

私のシナリオとしては、
・今後、対円でドルはますます下落し、それに反比例するように金がドルベースで高騰する
・円ベースでは円高ににより相殺されるので、金の価値は少し増える程度
・しかし、日本は金準備が少ないうえ、米国が経済崩壊すれば時間をおいて日本経済も崩壊する
・ゆえに時間を置いて日本の信用力は低下し円安となり、円ベースでの金の価値は急激に高まる
・日本にハイパーインフレが来ても当面はしのげる
というものでした。


しかし、前回書きましたように原田氏の講演では、その目論見が吹き飛ばされそうな内容でした。

原田氏の主張で重要なのは、現在も実質的には金本位制が続いている、という点です。

各国は財政を補完するために国債を発行し、一部その国債を間接的に中央銀行に引受けさせ、その対価として通貨を発行しています。
このときの各国の中央銀行の信用の裏付けの一部が前述の表のとなっているようです。

従って、現在も実質的に金本位制だそうです。

ところが、日本は異なりますよね。
日銀は、金を4400億円しか保有していないようです。
http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/kaikei/zaimu/zai1005a.htm

国際的に見ると全く持っていないのと同じようなものです。
このような中で、円高になる理由としては、一般的には日本は個人金融資産が1400兆円あり、それによって国債消化を賄っており、(外国に依存している)欧米に比較してまだまだ安全だから、と言われてきました。
私もそう思っていました。

しかし、原田氏の円高に対する見解は、日本が簿外資産『金の百合』を持っているからだということでした。

確かに、それならば金を表向き保有していない日本の円が強くなるのも理解できます。

1973年の1ドル=308円以降、一環して円はドルに対して強くなっています。

その金の百合の量について、原田氏は言及しませんでしたが、相当な量であるのは間違いありません。

『天皇の金塊』の著者、高橋五郎氏は、CIAの調査では少なく見積もって14万1千トン(現在価値で約500兆円)と言っています。
ほぼ、現在公表されている世界の金の総量と同じ規模です。

これだけでも、とんでもない量です。

日本が財政的に立ち行かなくなり、国家破産が近くなった場合にはこの金が放出されるはずです。

そうなると、それまで高騰していた金は大暴落するはずです。
理論上は約半値になるでしょうが、実際に500兆円すべてが放出されると半値どころではないはずです。

さらに、原田氏の話で衝撃的なのは、現在、国際的に検討されている金融システムでは、金本位制は採用されず、穀物と原油がベースではないかという点です。
金本位制復活で買われていた金は、金本位制が採用されなければ、これまた大暴落間違いなしです。


私は、原田氏の話を聞いていて、闇の勢力や国際金融資本の連中が、日本の金の百合を略奪するために幾つかのシナリオを考えており、日本の金の百合の対応次第では、新システムで金本位制を採用するのかどうかオプションを持っているのではないか。

また、金を大暴騰させ一般人の富を金に集中させうえで、その後大暴落させ、放出された金の百合とともにすべての富をかすめとろうとしているのではないか
、と感じた次第です。

日本は、金の百合でなんとか国家破産はしのげるかも知れませんが、奴らの手口を見極めたうえで慎重に対応しないと虎の子の金までかすめとられ、本当の貧乏国家になる可能性があります。

個人的にも金を持っていれば安心という訳ではなさそうです。
マネーの世界は恐ろしいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。