定年後の自衛官も上級職はかなりいい仕事があります。
軍事関係の上場企業の顧問に収まる人達もいますから、すべての自衛官が定年後困窮するわけではありません。
医官だった方などはその医者の免許がありますから、病院に勤務します。防衛医大に合格するほどの優秀なお医者様は引く手あまたですから、定年後の職にこまることはないでしょう。
そういった恵まれている人がいるのは確かです。
ただ、大多数の自衛官はそういった恵まれた再就職先があるわけではありません。
よく何かを変えようと思うと、総論に対して各論で異論を唱え続け、議論を進ませないという方法がとられます。
自衛官の待遇改善には賛成だが、しかし、恵まれた生活をしている人がいるから、この問題は考えなくてよいというのが各論です。
この話をし始めると恵まれた人達もいるから、大多数の自衛官は我慢しろという結論を導こう言う結論になります。
つまり会社にも役員や社長など恵まれている人がいるから、平社員やパートアルバイトの給料をあげなくてもよいという発想です。
こういう風に言い換えると、わかりやすいでしょう。この総論にたいしての各論を唱えるやり方を始めると、結局問題はたなざらしになります。
自衛官の賃金を上げるべきだというと、将官や幹部はもらっている。賃金をあげたければ昇進してそこまで上がればいいという人たちもいます。しかし、どうでしょう。自衛隊の隊員のすべてが将軍様になったとして、その部隊は機能しますか? 将官になれない人達はただやめていってもいいのでしょうか?違いますよね。
全体として機能するためには、定年退職後の大多数の人たちの待遇、退職金、若年給付金などの制度を考え直し、再就職先が高齢でも続けられる仕事を選んでも生活が成り立つように制度変更をしなくては、先行き不安です。自衛官が減っているのは恵まれている幹部自衛官が減っているのではなく、給与面でも老後の再就職先も恵まれない一般の曹クラスの人たちの数が激減しているのです。そこの充足率が足らないからそこの制度改革をすべきと考えるひとがふえ、各論で議論を攪乱する人たちに対抗してもらいたいとおもっています。
昨日のブログのコメント欄に勇気をもって現在の定年後の自衛官の様子を書いてくれる人がいました。
とてもありがたいことです。保険営業などの仕事に就く自衛官も多いのですが、高齢でノルマをしょって慣れない仕事で働くのはつらいと聞いています。
記事に書くようなことではないので、SPA!には書きませんでしたが、私は知り合いの自衛官が定年退職後に1年を待たず、再就職先の厳しい仕事が会わず、自殺した経験があります。50代の定年では住宅ローンもあり、定年後もキツイ仕事をしなければ、自衛官時代の給料を得ることができないため、無理をするのです。50代で新しい仕事に新人として入ると、年若い人たちに「こんなこともできないの?」と言われ、頭を下げて働くことになります。高齢ではなかなか体力もつづかず、新しいことを覚えるのも難しい。そういう辛い状況になることを考えると、家を買うことも躊躇するでしょうし、結婚や子育てにも影響が出ます。
これは国全体で考える問題ではないでしょうか?
公務員最大数の24万人近くいる自衛官たちが、将来の生活設計で住宅を買い、子育てをすることを躊躇するような老後になるということはそれだけの消費も消えますし、少子化まっしぐらです。ここを手当することで、国の経済も少子化対策にも地方活性化にもつながると考えています。
日本軍には恩給がありました。戦前の軍人が名誉職だったのは、その名誉に値するだけの報酬を国が与えていたからです。
他の国家公務員の定年を65歳までに延長するのであれば、国は自衛官が年金受給できる年齢になるまで退職後の職を新たに作るか、若年給付金や退職金を上げて、生活の補助をすべきです。自衛官の曹クラスの充足率が70%ということは、何をやっても足らないだけでなく、実際の戦闘がはじまったら1人かけたら、すべてが止まるような、たった一人に多数の役割があるリスクに弱い構造になっているということです。
国防の観点から考えてもこのような事態を放置してはいけません。
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緊急出動のある自衛官の官舎の改善を求める請願
http://yakamochi.org/newsletter/20149mamorukai.pdf
請願内容の3号に
3.その他、自衛隊で働く自衛官がその仕事に誇りをもち家族とともに退官まで仕事を続けることができるような対応策を国は考 えてください。
これが重要なのです。ここを踏まえて私たちは議員への陳情活動を続けているのです。
自衛官の現役隊員は無理でも、自衛官の家族、OB、自衛官の友人の皆さんは自衛官の待遇改善に頑張ることができます。頑張りましょう。
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なお、11月17日に東京で自衛官守る会の勉強会を企画しています。
予約制です。会場に限りがありますので定員数になれば締め切らせていただきます。
早めに申し込みください。
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自衛官守る会の第2回勉強会 今度は東京で行います。
予約制です。人数に限りがありますので、参加される方は
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=bb8735204e26b05b
こちらのフォームにご記入ください。
もし予定がかわってこれなくなった場合もこちらでご連絡ください。
場所:東京都 港区 新橋 2-14-4 マルイト新橋レンガ通りビル 4階(B)
開場: 12:30
開始: 13:00
終了: 17:00
【参加費】(予定)
一般参加:3000円
賛助会員:2500円
アジア周辺事態の緊張が高まり、我が国の平和と安全が脅かされています。日本の国防と安全保障の問題について、自衛官守る会の顧問でもある護衛艦いせ初代艦長・星山良一元一等海佐を講師にむかえて勉強会を開催します。
前半講演 自衛官守る会会長 小笠原理恵
●防衛予算拡大の必要性と自衛官の致命的な充足率問題
●自衛官の充足率の低下で起こる我が国の防衛力の低下
メイン講演 後半 演題
「現場指揮官から見た海上防衛の現状」講師 星山良一元一等海佐
(護衛艦いせ 初代艦長)
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会場はJR各線「新橋」駅の烏森改札を出て徒歩3分。
赤レンガ通り沿いとなります。
1Fはauショップとなります。
【重要】会場は4階ですが、エレベーターがありませんのでご了承下さい。
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