大人の社会科見学として、昨日はコンサルタントの稲垣佳美さんたちと東京裁判所に裁判の傍聴をしてきました。
まずは裁判所の傍聴へ行ったことない方のために傍聴はどうやってするのかをまとめます。
公開されている裁判は基本的に誰でも傍聴できますので、一度社会勉強のために行ってみてはいかがでしょう。
社会を知ることで、新しい気づきを見つける
社会を知ることで、社会に還元する
大人のための社会科見学です。

<東京裁判所の裁判の傍聴について>
- 丸の内線、半蔵門線の霞が関駅A1出口をでるとすぐが裁判所なので、裁判所の建物に入ります。一般の方はこちらと書いてある入口から入ります。
- 入口に手荷物検査所とゲートがあるので、手荷物をX線にかけてゲートを通ります。ちょっと緊張するけど大丈夫。入口わからなければ、守衛さんがいるので傍聴の入口こっちでしたか?と聞くと親切に教えてくれます。
- ゲートをぬけたらロビーがあって、ロビーの一部に今日の裁判が調べられるタッチパネル式の検索台でどんな裁判があるか調べます。
- 初心者は、まずは「刑事裁判」の傍聴がいいかなと思います。自分以外の傍聴者もいるため、法廷に入りやすいんですよね。民事の遺産相続等の裁判だと、自分以外に傍聴する人がおらずなんか居づらくなってしまうことが私はあったので、まずは刑事がいいと思う。
- 事件の種類、「殺人」「詐欺」「窃盗」「傷害」「薬物」等罪状と、法廷開始時刻、被告人の名前、裁判長の名前、法廷の番号、事件番号、判決なのか審理等の掲載があるため、傍聴したい事件を選びます。詐欺や窃盗、薬物等の事件が多いなと感じます。判決の公判は、判決を言い渡すだけなので比較的時間が短いですが、審理だと時間がかかる時があります。(傍聴者は途中退席できるけどね)
- 傍聴したい裁判が決まったら、法廷を調べてエレベーターでその法廷までいきます。例えば720号法廷とかいてあったら、7階の法廷でした。
- 裁判開始時刻の5分前くらいには傍聴席についているとよいです。また、はじめての人は出入口近くに座るのがよいです。もう傍聴したくないな。と思ったらすぐに退席できるから。
- 裁判の傍聴席に座ったら私語は禁止です。開廷前におしゃべりしていた人が話すなら外で話してくださいと以前怒られてたんだよね。
- 裁判長が入ってきて、起立の支持があれば、傍聴者も起立しておじぎをし、そこから傍聴の開始です。電子機器の使用は不可、メモはとれます。途中退席もできるので、お気のすむまで傍聴をします。
大阪で傍聴した時は手荷物検査ゲートがなかった記憶が‥。今はどうなのかな。
大きな事件の裁判は傍聴が抽選になるため、事前に裁判所のホームページで調べていきましょう。
傍聴ってはじめは緊張するんだけど、1回行くとなれるから
私は10回以上は傍聴しています。傍聴趣味なんだよね。というと連れてって!と友人知人に言われることが多く
傍聴アテンドも何度かしています。

傍聴の良いところは、報道されている事件の裏側を知ることができるし
弁護側、検察側で全く立場だと、事件がまるで違ってくるんです。
今日は、東日本大震災の東京電力原発事故の風評被害の賠償金詐欺の事件でした。
10人以上が関わって、95件トータル5億円を東電からだまし取ったという大きな詐欺事件です。
この記事の事件です。犯人の名前で検索するとまとめサイトもでてきます。
売り上げ減少偽り、原発事故賠償金を詐取容疑 指南役か:朝日新聞デジタル (asahi.com)
被告人が今回は三名いまして、検察側が事件の求刑をする文章を読みあげるんですが
なんと、1時間20分以上もかかっていました。
三人の被告がいるため、時間がかかるんだよね、眠くなっちゃった・・・・

この検察の方、1時間20分以上も難しい長文読んでいるのによどみなくスラスラ長時間にわたって読んでて
すごい尊敬してしまった!!
活舌もよいし、すげー!と変なところで関心してしまいました。
検察側のポイントは、共犯者の一人がこの被告を主犯格と供述している。
LINEに詐欺をほのめかすやりとりがあった。状況から主犯格であり、賠償金の返金もせず反省していないため
主犯格は懲役12年、他二人は懲役9年を求刑する。という内容です。
その後、弁護側の主張となったんですが、驚くことに
全面無罪を主張していました。
詐欺の主犯格は逮捕されていないAとBという人物であり、詐欺と知らずに賠償金の書類を作ってしまったことは
人道的な責任はあるけど、全く知らなかった。書類の作成手数料も5%であり、ブローカーとしては適正であり
逮捕されていないAとBという人物は10%ももらっている。
AとBは逮捕されずおかしい。不当な勾留はやめるべきだ。という主張でした。

たしかに、物的証拠や詐欺をしたという証拠のやり取りは現段階ではでてきていないんですよ。
検察側の話を聞いているときは、詐欺やってるんだなぁ。ニュースサイトで見た顔つきも怖ったよね~
こわー!!と思っていたんですが
弁護側の主張になったとたん、どっひゃー!!無罪!!不当勾留!!悲劇じゃない。と感じてしまいます。
どっちの言い分もわかるような感じがしてしまい
全く違う「真実」がそこにはありました。
私の中ではおそらくこうなのかなぁ・・・という予想はありますが
証拠が不十分でもあり、今後どう裁判が展開していくのでしょうか。とても気になりました。

あと、3人の被告が法廷にいるときは、両隣に警察官がいるので、6名の警察官が法廷にいるんです。
1時間ちょっとするとその6名の警察官が一斉に入れ替わるシーンがありまして
ちょっと驚きました。検察側の読み上げが1時間以上かかっていたので、けっこう眠そうな警察の人もいて・・・
交代しないと集中力きれるから交代時間きまってるのかしらね。

東京裁判所の地下にはちょっとした喫茶室や食堂もありまして、裁判のあとみんなで裁判話に花がさきました。
裁判の傍聴は毎回、大きな気づきが得られます。
犯罪は絶対にいけないんだけど、事件の種類によっては
犯人の生育状況や過去の人間関係、身体的なハンデ等を聞くこともあります。
犯行は絶対にだめだけど、私が同じ立場になったら同じことをしないと言い切れない。
なんて不幸な掛け違いが起きてしまったのだろうか。とやるせない気持ちになる裁判もあったりします。
そして、被害者の立場であったら、私が被害者の家族であったら、大きな悲しみと恨みを抱えて生きてしまうだろうとも感じます。
真剣に事件に向き合っている弁護士の方、検察の方、裁判官、関係者の方
さまざまな人たちの生き様がリアルに感じられます。
まだ裁判を傍聴したことない人は一度は傍聴してほしいなと思います。