Lover's Concerto -9ページ目

Lover's Concerto

花より男子の二次創作ブログです。
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「ただいま戻りました」

慌てて家の中に駆け込む。

かすみが起きて泣いてないかだけが
すごく心配だった。

だけどやっぱりあの子はスヤスヤと
ベビーベッドで眠っていた。

ホッとして脚と肩の力が抜ける。

「もう!何なのよこの子は!
こんなちっちゃいうちから
三年寝太郎の血なんか
受け継がなくてもいいのに!」

「若奥様、お嬢様は一度
起きられましたよ?
ミルクではなくておしめの
方でしたけど」

佳世さんも苦笑している。

「可哀想だけど起こして飲ませよう
そしたらしばらく寝ないから」

私は寝ているかすみを
可哀想だけど揺すって起こす。

気持ちよさそうに寝ているところを
起こしたからしばらくグズって
ふにゃふにゃ泣いてた。

それでもおっぱいを口に含ませると
お腹は空いてたのかすごい勢いで
母乳に吸いつく。

「あはは、お腹は空いてたんだね」

欲求に忠実なとこを見て
クスッと笑いが込上げる。

「ホント、こういうとこは間違いなく
類の子だなって思うなぁ」

眉にかかった前髪を指先で
そっと避けてあげる。

私そっくりの黒髪のストレート。

見た目は私だけどよく見ると
類に細かいところが似てる。

飲みたいだけ飲ませて
ゲップをさせると満足したのか
パッチリ目を開けて私を見つめた。

「類~♪」

奥に引っ込んだ類を呼ぶ。

「何?」

「かすみ起きたよ?抱っこする?」

「うん」

類が自分の部屋から出てきて
娘を抱っこする。

お腹がいっぱいになって
機嫌がいいのか類に抱っこ
されても泣かなかった。

「かすみ、パパに抱っこして
もらってよかったね?」

顔を覗き込んで話しかけると
違和感に気づいたのか少しだけ
顔を歪めて愚図りだす。

「大丈夫よ?怖くないから
パパは世界一優しいんだから」

優しく言い聞かせるけどこんな
小さな子に分かるわけない。

我が子に泣かれて凹む新米パパは
懸命に娘をあやしている。。

その光景が面白くてこっそり
動画を録る。

バレたら怒られそうだけど。





無事に泣きやみ類の腕の中で
ゆったりと微睡むかすみ。

さんざん寝たあとだから
なかなか寝ない。

「お風呂に入れてみる?」

沐浴の時間になって私は彼に
やってみるかと訊いてみる。

「うん、やる」

おっかなびっくり受け取って
佳世さんに見守られながら
類はかすみをお風呂に入れてくれた。

私はその間軽く夕食を摂る。

バスタオルに包まれたかすみが
お風呂から出てくる。

お風呂が気持ちよかったのか
欠伸連発してる。

「あ、着替え」

「俺がやるからつくしはそこで見てて」

さっきよりはしっかりした手付きで
かすみを抱っこしながら着替えさせてる。

もちろん佳世さんに見守られながら。

着替えさせてもらった頃には
すっかりパパの抱っこにも慣れて
機嫌よくしてる。

かすみのオムツ替えるのも
ほぼ初めてなんじゃないだろうか?

そんな父子の様子を見て私は決めた。

この二人を離しちゃいけないって。







夜、お義母さんがお邸に帰ってくる。

私がお願いしたからだ。

類がかすみの子守りをしてるのを見て
お義母さまは目が点になってる。

「え?類くんやっと泣かれずに
抱っこできるようになったの?」

「違いますよ、かすみが成長したんです
とりあえずこの物体は害じゃないって
認識したんじゃないですか?」

そう私が返すとプッと吹き出す。

 一頻り笑ったあと私は表情を引き締める。

「それでお義母さん私、かすみの予防接種が
終わったら一緒にフランスに行きます」

「え?」

「もし今ここで二人離したら
ダメだと思うんです、そりゃ住み慣れてる
日本で子育てした方が断然いいと思うけど
親がいるのに離れて暮らすのはやっぱり
違うと思うんです」

「……決めたのね、本当に良いの?」

「もう、かすみが生まれた時の
あんな想いは嫌です
私も類の家族なんだから
1人だけ省かれるのは嫌です」

「つくしちゃん!」

お義母さんは私に抱きついた。








お風呂に入ったあとかすみを寝かせ
ベッドルームで類と向かい合い
夕方決心したことを類へ伝える。

「本当に良いの?」

類に自分もフランスに着いてくと言うと
心配そうな顔をした。

「家族は一緒に居るべきでしょ?
私だって譲歩くらいするわよ?」

「……ごめん」

「良いの、私は類のお嫁さんでしょ?
離れて暮らすのはもう懲り懲り」

ニコッと笑ってみせる。

「ん、ありがと」

類は私を抱きしめながら軽く
唇にキスをする。

「ね?つくし…今夜はしたい」

類の視線が艶っぽく変貌する。

「ん、良いよ」

軽い挨拶のキスはいつもしてるけど
官能を誘うようなキスは久しぶりだった、




「ただいま戻りました」

慌てて家の中に駆け込む。

かすみが起きて泣いてないかだけが
すごく心配だった。

だけどやっぱりあの子はスヤスヤとベビーベッドで眠っていた。

ホッとして脚と肩の力が抜ける。

「もう!何なのよこの子は!
こんなちっちゃいうちから
三年寝太郎の血なんか
受け継がなくてもいいのに!」

「若奥様、お嬢様は一度
起きられましたよ?
ミルクではなくておしめの
方でしたけど」

佳世さんも苦笑している。

「可哀想だけど起こして飲ませよう
そしたらしばらく起きないから」

私は寝ているかすみを
可哀想だけど揺すって起こす。

気持ちよさそうに寝ているところを
起こしたからしばらくグズって
ふにゃふにゃ泣いてた。

それでもおっぱいを口に含ませると
お腹は空いてたのかすごい勢いで
母乳に吸いつく。

「あはは、お腹は空いてたんだね」

欲求に忠実なとこを見て
クスッと笑いが込上げる。

「ホント、こういうとこは間違いなく
類の子だなって思うなぁ」

眉にかかった前髪を指先で
そっと避けてあげる。

わたしそつ



類が帰国して皆が類の家に集まった。

集合した理由はかすみを見に来るため。

みんなかすみを見た感想は
口を揃えて私にそっくりってこと。

「小さいうちだけかもよ?
大きくなったら案外類そっくりに
なったりして?」

「いや、今でもソックリだよ?
この子よく寝るんだもん
赤ん坊のくせに起こさないと
全然起きないの!放っとくと
ずーっと寝てるんだもの」

「「「そりゃ完璧類の遺伝子だな」」」

「手がかからなくて楽だけどね
赤ちゃんで普通さぁ~
意思表示して泣かない?
おしめ濡れた、替えてとか
お腹空いたよ~とかさ
この子全く泣かないの!
どっか悪いのかなって思っちゃう」

「ものぐさなだけだろ?」

「やだこんなちっちゃいうちから!
今から将来が心配だわ……」

ヤダヤダと泣き真似をすると
みんなが同時に吹き出す。

実際、大人が集まって頭上や
耳元で騒いでても起きる
気配がない。

……大物かも。

スヤスヤと気持ちよさそうに寝てる。

「ホントにね、でも起きたらお腹
空いたってギャン泣きよ?」

分かりやすくて助かる。

「……本能で生きてんな」

みんなのかすみを見る目が優しい。

「まさか、類が一番に父親に
なるとはな~?」

「俺より意外なのはうちの父親だよ!
俺にはあんなだったくせに
孫に会いたくて母親に黙って
こっそり帰ってくるんだから!
孫の顔見たさに母さん置いて
日本に帰りたがるんだよ?」

想像つくのか類が憤る。

そんな類を放置して私はF3に話しかける。

「……アンタ達も抱いてみる?」

私は眠ったままのかすみを抱き上げ
優しく揺すって起こす。

泣かれるかと思ったけど泣かずに
機嫌良く目を開けてじっと私を見た。

「良かったね、かすみ?このおじさんたちが
抱っこしてくれるって」

驚かさないようにかすみに話しかける。

「テメッ、おじさんて言うな」

憤慨する彼らを無視して
一番傍にいた美作さんに
かすみを抱かせる。

小さな妹のいる彼なら赤ちゃんの
扱いに慣れてるだろうと思ったから。


「……可愛いな、俺を見てジッとしてる」

「かすみがおとなしいだけだろ?」

類がヤキモチを妬いて文句を言う。

「へぇ?ミニチュア牧野の割には
すっげぇ大人しくね?」

「だからそういうとこがつくしなんだろ?」

司にバトンタッチした途端
かすみがじたばたし始めた。

腕の中で足をばたつかせて暴れる。

「ぷっ、司にだけ反応した」

比較的他のふたりには大人しく
抱かれている。

「あら?忘れたの?類が抱っこしたら
同じように暴れたじゃない」

ちょっと意地悪を言ってみる。

「そうだよな~生まれたとき
傍にいなかったもんな類」

「うるさいな」

ブスッと膨れっ面して拗ねる類。

「案外、司ベッタリになったりして」

「怯えたの一瞬だけでもう寝てるし」

司の腕の中でまた熟睡し始めたかすみ。

彼は頬を緩めて黙ってかすみを
見つめていた。

赤ちゃんの威力ってすごいなぁ。





午後からは滋さんと桜子も来てくれた。

2人の前ではパッチリ目を開けて
珍しく起きていた。

翳した手を追って視線を彷徨わせる。

「可愛い~つくしそっくりだねぇ」

「性格は類だけどね~2人とも
抱っこしてみる!」

「えっ?いいの?」

「起きてるのが珍しいのよ
アイツらきた時はずっと抱かれながら
寝ちゃっててね……」

私は滋さんを椅子に座らせると
赤ちゃんを抱かせた。

初めてなのに大人しいのは
お腹も満たされてるし女性だからだろう。

「大人しい子だね」

「そうでもないよ?寝起き悪いし
そんなとこは父親そっくりなの」

「本当に可愛い子だね?無事に
生まれて良かったね、つくし」

「うん、ありがとう」

次は桜子に抱いてもらう。

彼女にもかすみは泣いたりしなかった。

「この子、女性が好きなのかしら?」

そういえばお義母さまの時も
全然泣かなかった。

でもお義父さんのとき大人しくしてたけど
すぐに寝てしまっていた。

そこで私は部屋に籠っている類を呼ぶ。

「何?つくし」

「ねえ、かすみ抱っこしてみて」

類はかすみを受け取ると慣れた
手つきて彼女を抱っこする。

すると、大人しかったかすみが
顔をクシャクシャにして泣き出した。

急に泣かれて類は焦った表情を
浮かべてあやし始める。

「あ、やっぱりね~この子は
男性が苦手なんだ」

「どういうこと?」

「かすみは男の人に抱っこされると
すぐに寝ちゃうでしょ?
でも彼女達には別の反応を見せたの」

「うん、可愛かったよ?ニコッと笑って
パッチリお目々開けてさぁ」

桜子もそうそうと頷く。

「良かった」

「良くないよッ」

類が憤慨する。

「まあまあ!いいじゃない
変な虫つかないかもよ?」

完全に拗ねた類に気を遣って
私と類を二人きりで散歩にでも
行ってきなよと送り出してくれた。

私はかすみを二人に任せ類と外出する。





手をブラブラさせてたら
その手を
類がしっかりと握った。

かすみが生まれてから類と手を
繋ぐのは初めて。

日本に置き去りにされてから
私は彼に触れていない。

逆も同じ。

「……ホラ」

差し出した手へ捕まる。

柔らかな温もりが手のひらに宿って
類の大きな手を握り締めた。

「……恥ずかしいな」

引っ込めようとする手を強引に繋ぐ。

「離しちゃダメ」

手を繋いで歩くのは久しぶり。
諦めたようにおとなしくする私。

無言でいたかと思えば間に漂う
気まずい空気を振り払うように
私は少し明るい声で
類にに話しかけた。

「もうすぐ類の誕生日だね」

「うん」

儚く微笑んだ類。

途切れる会話。

ちょっと気まずい。

2人きりになるのが久々で
何を話していいか分からない。

「つくし」

振り向いた私の唇を急に塞ぐ。

もう、こんなとこで…」

「……いいじゃん、つくしとキス
したくなったんだから」

「もうっ!」

「嫌
なの?キス」

俺とキスするの好きでしょ?と
言われ真っ赤になる。

「別にいいけど」

「じゃあ、もう1回しよ?」

真顔で言われ私は頷く。。

「うん、いいよ」

ボソリと付け加えた返事を聞いて
抱き寄せるように腕を引いた。

背伸びして触れてきた彼の唇。

「……何で唇じゃないの?」

指先で私の唇を突くとここじゃ
ダメだと言われてしまう。

「だって、ココ外だし……」

「外じゃダメなの?」

「だって誰に見られてるかわかんないし
恥ずかしいじゃない」

「俺の子供まで産んどいて今さら?」

「うるさいな!ダメなものは
ダメなのッ!」

「しょうがないな、じゃウチに
帰るまで我慢する」

今ここでは手を繋ぐだけに
留めておくと宣言した。

もうずっと繋げないと思ってた。

この手はずっと離さない。

私は類と繋いだ手を
ぎゅっと握り締めた。