Lover's Concerto -4ページ目

Lover's Concerto

花より男子の二次創作ブログです。
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side Rui


 



……司のヤツ……油断も隙もありゃしない。

司に渡されたホテルのルームキーを
ポケットの中で握り締める。

左手にはつくしの手の温もり。

ついつい手に力が入ってしまったらしく
痛いよという声で我に返る。

「もう、何処にも行かないから
手を離して?」

小さな声でそう懇願され俺は掴んでいた
つくしの腕の力を緩めた。

腕を離して小さな手を握る。
掴んでいた手首には薄っすらと
俺の指の痕。

「……ねえ、何処に……行くの?」

「この間のデートのやり直し。」

「え?」

つくしはきょとんとした顔で俺を見る。

「3週間遅れたけど……やっぱり
記念日祝いたくて……」

俺がそういうとつくしはうんと頷く。

「思い出してくれて……ありがと……
ホントは今夜類が来てくれたの
嬉しかった。ごめんね……?あたし
いつも意地ばっか張ってぜんぜん
可愛くないね。」

シュンとしたように言葉を連ねるつくし。

「……父さんの許可が下りたんだ
つくし俺と結婚しよ?」

え?と大きな瞳を見開くつくし。

「あの日、俺とつくしが約束してたこと
父さん知らなくてこの前一緒に食事
したときつくしとは上手くいってるか
順調なのか訊かれたんだ。で、別れる
一歩手前のケンカしたっていったら
慌ててさ……」

あのときの父さんの慌てようを
思い出して俺は吹き出した。

「毎日定時に帰されてさっさと仲直り
しろってそりゃ自分のことのように
焦ってたよ。俺もつくしに嫌われたと
思って茫然自失でさそんときあきらに
忠告されたの。郁兄がつくしに
本気らしいって。で、確かめにきたら
あんた司と一緒じゃない
思わず血が頭に上って酷いこといった、
ゴメン。でも、何で司と一緒に居たの?」

俺がそうつくしに訊くと彼女は
真っ赤に頬を染めた。

「……あたしも類とはもう終わりだって
思ってて…だけどそうしたくない
気持ちも心の何処かにあって専務の
パートナー役としてパーティーに
出てたの。そこで司にバッタリ出会わして……
それからあいつのパートナー役で
何度かパーティーに出てバイト代
貰ってた。お金じゃなくて食事を
ご馳走になってただけだからね?」

最後は慌てたように付け加える。

「でもね、どんなに素敵にエスコートして
もらってても類のこと忘れられなかった。
あたしが隣にいたいのは類だけだなって
あたし自身違和感感じてたの」

頬を真っ赤に染めて一生懸命
思いを伝えてくれた。

「やっぱり類が好きなの貴方の
代わりには誰にもなれない。」

つくしの唇から零れた素直な
思いをきいて俺は心から嬉しくなる。

最上級の愛の言葉をささやかれて
俺は心が躍る想いだった。

「…俺も、つくし以外考えられないよ
愛してる。」

ゴメンなと頭を撫でると恥ずかしそうに
微笑むつくしをもう離さないと
心に決めてそっと抱きしめた。

その晩、親友に貰ったルームキーを使って
大切な記念日をやり直した。


 


side  Tsukushi


司といたのは実はバイトだったりする。

なぜかあたしは日本に帰国している
司の相手役をしている。

パーティーに一緒に出て翌日謝礼として
食事を奢ってもらっていた。

司は誰か特定の女性と一緒にいれば
虫除けになると思ったらしい。

でも知らない女は嫌だってことで
あたしにその役をやってくれと
頼んできた。

いつものように偉そうでもなんでもなく
本当に困ってるみたいだったから。

司の頼みを嫌っていえなかった。

類のことが一瞬頭の中を過ぎった。

あの電話以来、一切連絡がなくて。
あたしたちの仲はもう終わったんだ
って思っていた。

ううん、終わったって思い込んでいた。

だから、引き受けた。

1人でいるといつまでも
引き摺りそうだから。

司はあたしといるとき何故か
すっごく優しかった。

付き合っていたあの頃のように
強引なところも我が儘なところも
嘘のように引っ込んで弁えた
大人の男になっていた。

女性の扱いにもずいぶんと慣れていた。

そんなところにも厭味1つ感じず
自然なことにあたしはすっかり
心ほどかれていた。

だけど同時に自分だけが元の場所に
置いてかれたような錯覚に捉われた。




きょうは一昨日のパーティ同伴のお礼。

司が迎えに来てこれまたいつものように
道明寺の車に2人で向かう途中だった。

「……あんた、何してるの?」

聞き覚えのある低い声が聞こえてきた。

声の主が駆け寄ってきてあたしの
腕を引っ張って振り向かせる。

「何ってデートだ。見てわかんないか?」

道明寺が急に険悪になった
空気を読んで口を挟んだ。

「……司は黙ってて!」

司の声を撥ねつけて黙らせると
あたしの腕を取って離れてと引っ張る。

やっと会えたのに……あたしの口から
出たのは可愛げの欠片もない言葉。

「……こんなところまで何か用?」

類の顔は見ず飛び出した刺々しい声。
あたしは掴まれた腕を振り払った。

「聞きたいことがあって……」

類の声がいつもより弱々しく
聞こえてくる。

「なんで司と一緒にいるの?」

ごめんって一言謝ってくれたら
もっと優しい言葉が出たかもしれない
訊かれたのは司のことだけ。

頭に来たからあたしは類の顔を
見ないまま言い放った。

「…………言ったじゃない、デートだって!
そんなこと訊く前にわたしに何か
いうこと無いわけ?」

「何で司とデートしてるんだよ?
俺は謝ろうと思ってここまで来たのに」

あたしの態度は最悪だ。

仮にも恋人に対して取る態度じゃない。

「……謝る?今さら何を?」

また飛び出した可愛くない言葉。

本当は来てくれて嬉しいのに……。

気持ちとは相反する態度に
類のほうも怒ってるのがよくわかる。




「開き直るんだ?どういうつもり?
俺に対する嫌がらせ?約束破って
忘れたことは悪かったって思ってるよ?
そんな態度取るならもう司のとこでも
専務のとこにでも好きな方に行けば
いいじゃん!その代わり俺には
もう関わんないでね、勝手にすれば?」

ついに怒り爆発って感じに怒鳴って
類はあたしに背を向けた。

もう、おしまいだって覚悟したとき
黙ってみていた司がまた口を挟んだ。

「……おい、類。」

「何?司。部外者は黙っててよ……」

「こいつが好きでもない男と
行動を共にしてきた気持ち
お前に分かるのか?全部お前の
気持ちが知りたかったからなんだよ!
泣かせるなって言っただろ!」


やっぱり司にはお見通しだったんだね……。

そうなの?と驚愕の表情で
あたしを振りると。

「………………………………」

あたしは言葉の代わりに涙をこぼす。

勝手にしろって言われたことが
ショックで頭の中が真っ白だった。

「……類なんか嫌いだもん
もう無理して付き合わなくていいから
別れたいならそうしようよ?」

思わずこぼしてしまった嫌いという言葉。

行こうぜと司があたしを庇うように
肩を抱いて寄り添ってくれた。

そのときだった。

急に強い力で引っ張られて
あたしはよろけた。

気がついたら類の腕の中で
いきなり唇を塞がれた。

苦しくてもがけばもがくほど
キスは深くなる。

やっぱり、類から逃げるのは
無理なのかも……そう思って
背中に腕を回した。

やっと解放されて頭上から
降ってきた言葉。

「……俺は好きだよ?あんたが俺を
嫌いだって言っても俺はずっと
あんたを愛してる」

ずっと聞きたかったその言葉。

涙が視界をぼんやりとにじませる。

顔も火照るように熱い。

「……るぃ……」

名前を呼んだ瞬間ポロリと頬に
堪えていた涙の雫がこぼれていく。

「だから、俺の傍にいて、
つくしじゃないとダメなんだ、俺。」

ずっと聞きたかったその言葉。

だから自然にあたしの口からも
素直に謝罪の言葉が零れ落ちる。

「……ごめんな……さい。」

すると背後から大きなため息が
聞こえてきた。

「……おまえらなぁ~!
ここ何処だと思ってんだ?
仲直りするのは結構だけどよ
……PTA考えろよな……
つくしぃ~お前明日から
会社来辛くなると思うぜ?」

司の間延びした声にあたしは
現実に引き戻される。

辺りを見回すと遠巻きにだけど
ギャラリーが出来ていて今のを
全部見られてたことにようやく
気がついて顔面蒼白になる。

「ばっ!それをいうならTPOでしょっ!」

あたしはこんなときもボケをかます
司に腹を立てて思い切り怒鳴った。

「つくし、おとなしくして?」

今にも飛び掛らんばかりの勢いでいた
あたしを類は必死で抑えながら
優しく声をかけてくれる。

「……類っ!」

類に向かって司が何かを投げて寄越した。

「仲直り記念だ、受け取れ」

そういってにやっと笑う司。

類の顔が険しくなって司を睨んだ。

ねえ、司は類に何を投げて寄越したの?

すっごく怒ってるのが分かるんですけど?

「……いこう。」

わたしの手を取った類が低い声で
甘くささやいた






side Rui

あれから、つくしに連絡が
取れなくなった。


携帯の電源は切られ、実家に
電話しても帰っていないといわれる。

彼女のアパートに行っても
いつも留守。

それほど彼女の怒りが深いのだと
思い知る。

つくしが怒ると司よりも手に負えない。

とにかく徹底的に避けられてしまう。

今回は特に俺が悪い。

約束を破った挙句に記念日を
忘れたなんて洒落にならない。











そんなときにあきらに言われた。
ウチの従兄牧野狙ってる……って。

あきらの従兄はつくしの上司で
あの2人が兄妹のように
仲がいいのは知っている。

つくしは男に媚びたりしないから
どこにいっても可愛がられる。

特にあきらの従兄には俺も子供のときに
遊んでもらったことがあったりして
可愛がってもらったから逆らえない部分もある。

あの司でさえ軽くあしらわれるほど
頭のいい男だった

今度の喧嘩のこともどうやら
相談したらしいとあきらは言った。

そして、聞かされたつくしとの縁談。
ショックなんてもんじゃなかった。

意地張ってないで取り戻しに行かないと
手遅れになるぞと警告される。

そんなことさせない。







俺は覚悟を決めてつくしの会社の前で
待ち伏せすることにした。

5時前に仕事を終わらせて
つくしの会社へ赴く。

一応守衛に確認してつくしらしい
社員はまだ退社してないことを確認する。

待つこと20分。

やっとつくしがロビーに
降りて来た。

久しぶりに見た彼女は薄く
化粧をして唇にも紅を差して
とても可愛かった。

声をかけようと一歩踏み出そうとしたら
別の方向から聞き覚えのある彼女を呼ぶ
男の声が聞こえてきた。

「つくし!」

信じられない光景が目の前で
繰り広げられていた。

嬉しそうに彼女に駆け寄る
日本ににいないはずの親友の姿。

それを待っていたらしい自分の
恋人が小さく手を振って合図していた。

「待たせて悪かったな。あっちに
車置いてきた、行こうぜ。」

当然のようにつくしの手を取ると
自分の腕に絡ませて歩き出す。

2人は俺の存在には気付かず
笑いながら歩いていく。

あまりのショックで俺はここに来た
目的を忘れてしまいそうになった。

「……あんた、何してるの?」

慌てて駆け寄り、つくしの腕を
引っ張って振り向かせる。

「何ってデートだ。見てわかんないか?」

「…………司は黙ってて!」

不愉快そうに口を挟んでくる
司を撥ねつけて黙らせると
俺はつくしの手を司の
腕から剥がした。

「……こんなところに、何か用?」

俺の顔を見ず返ってきた
よそよそしい声。

掴んだ腕を振り払われた。
完全に怒ってる。

「聞きたいことがあって」

彼女の放つオーラが怖くて
声が震える。

「…………なんで司と一緒にいるの?」

「……言ったじゃない、デートだって!
そんなこと訊く前に何かいうこと
無いわけ?」

……ぷちっ。

「何で司とデートしてるんだよ?
俺は謝ろうと思ってここまで来たのに」

つくしの態度にだんだん我慢が
出来なくなってきた。

ぎゅっと腕を掴むと痛がる彼女を
引っ張ってその場を後にした。

俺が怒れる立場じゃないのに。

司とのツーショットを見たとたんに
頭の中が、視界が嫉妬の感情で
真っ赤に染まった。

「……謝る?今さら何を?」

「開き直るんだ?いったいこれは
どういうつもり?俺に対する嫌がらせ?
約束破って忘れたことは悪かったって
思ってるよ?そんな態度取るなら
もう司のとこでも専務のとこにでも
好きなほうに行けばいいじゃん!
その代わり俺にはもう関わんないでね
……勝手にすれば?」

俺は思わずそう怒鳴っていた。

こんな意地っ張りで可愛げのない女
俺はもう知らない!

ごめんねって抱きしめるつもりで
ここまで来たのに。

「……おい、類。」

「何?司。部外者は黙っててよ」

「あいつが好きでもない男と行動を
共にしてきた気持ちお前に分かるのか?
全部お前の気持ちが知りたかったから
なんだよ!泣かせるなって言っただろ!」

そうなの?

俺は司に言われたことに衝撃を受け
彼女を振り返る。

「………………………」

俯いて黙っているつくしの頬には
涙の筋がクッキリと出来ている。

「……類なんか……嫌い……もういいから
別れたいならそうしようよ……」

嫌いという言葉がグサリと胸に
深く突き刺さる。
別れるという言葉も心に響く。

泣き出したつくしを司が支えて
連れ去ろうとしている。

そんなことさせるもんか!

俺は司の手からつくしを奪い返すと
無理やり彼女に口付けた。

初めは苦しそうにしていた彼女も
だんだんおとなしくなって
背中に腕を回してきた。

「……俺は好きだよ……あんたが嫌いだって
言っても俺はあんたを愛してる」

つくしの顔を見ると真っ赤になって
俺を潤んだ瞳で見上げてる。

「るぃ」

ポロリと頬に涙の雫がこぼれていく。

「だから、俺の傍にいて?
つくしじゃないとダメなんだ、俺」

ずっと囁くことを忘れていた
自分の想い。

「……ごめんな……さい。」

聞こえてきた謝罪の言葉。

どうして、つくしが謝るの?

100%悪いのは俺なのに……。

すると背後から大きなため息が
聞こえてきた。

「……おまえらなぁ~ここ何処だと
思ってんだ?仲直りするのは
結構だけどよ……PTA考えろよな?
つくしお前明日から会社に
来辛くなると思うぜ?」

せっかく浸ってたのににやけ顔の
司の言葉は俺たちを現実に引き戻した。

辺りを見回すと遠巻きにだけど
ギャラリーが出来ていた。

「ばっ!それをいうならTPOでしょっ!」

正気に返ったつくしが真っ赤になって
俺の腕の中で暴れる。

「……類っ!」

暴れるつくしを宥めていると
司が何かを投げて寄越した。

俺はそれを受け取って見た。

ホテルの部屋のカードキーだった。

「仲直り記念だ、受け取れ」

そういってにやっと笑う司。

こいつ、俺が今日ここに来なかったら
つくしのことここに連れ込む
算段だったのか?

そしてそれにつくしも着いていこうと?

そう、考えると無性に腹が立ってきた。

彼女の無防備な隙だらけなとこは
幾ら気をつけるように言っても
直らないみたい。

それに自分は誰と付き合ってるのかも
自覚させないとね。

「……いこう。」

つくしは頷くとおとなしく着いてきた。