Lover's Concerto -3ページ目
明日、お祖父様達、会長夫妻が
揃ってフランスのお屋敷に
顔を出しに本邸へと来るという。
お義母様の表情が憂鬱そうに曇る。
かすみの妊娠中に……類が記憶障害に
罹ってる時にちょっとだけ
会って以来の再会になる。
あの時は類に暴露される形で
妊娠を知られてしまった。
子供のことについては存在は知っていても
まだ私達は子供達を会わせていないから
何も言われなかったけど。
そもそも結婚を急いだ理由が子供を
授かったからという理由を話していない
そのことについてお二人に本当は
どう思われているかわからない。
子供達は確実に花沢の……
類の血を引いている。
特に律は私から生まれてきたのに
どこの誰が見ても類の子供だと
分かるくらいそっくりだった。
親である義両親たちが可愛い頃の
類が戻ってきたと小躍りするほど。
本物はもう可愛くないからこっちが
欲しいと言わしめるほど可愛がられている。
まあまだ話せないしおっぱい飲んで
寝てるだけだから扱いやすいのは認める。
今も親の手を離れて義両親の腕の中を
交互に行き来してる。
それに律は類の子のはずなのによく笑う。
それはかすみも同じで本当に類の子なの?と
思うレベルでよく笑う子だった。
彼のお陰でみんなが笑うから
笑顔が絶えない。
「何かされたらちゃんと言うんだよ?」
出社を渋る類とお義父さま。
それほど私とお祖母様を再会させることに
不安な気持ちを拭いきれないらしい。
「子供達がいるから2人きりでお祖母様に
会う訳じゃないもん、大丈夫だから
2人ともちゃんと仕事してきてください」
「つくしちゃんの言う通りよ?」
お祖父さまが一緒だと言うのなら
きっと大丈夫だろう。
まだ玄関先でグズグズしてる男たちを
強引に会社へ送り出して。
来客の報せを受けて慌ただしく
動き回っている。
お手伝いさんに混じって自分もお祖父さま達の
訪問に備えて動く。
前にお祖父さまに所望されたものを作る為に
自室のキッチンに籠る。
「あら、つくしちゃんエプロンなんかして
これから何をするの?」
「お祖父さまの好きなアレを作るんです」
「まあ!私もアレは好きよ!」
「あの、ご一緒に作りませんか?」
私がそう提案するとお義母さまは
嬉しそうに微笑んだ。
私達は料理長のお仕事を奪わない程度に
厨房の一角を借りてお料理をした。
お義母さまは私のする事に興味津々だった。
「類はつくしちゃんの手料理
よく食べてるの?」
「まだ結婚前に数回ですよ
私が出すのは庶民の食卓に並ぶような
お惣菜とかでした」
類は肉じゃかが好きですと教えると
お義母さまは微笑んだ。
二人で類の大好物を作り
仕上げていく。
お義母さまも卵焼きを作るのを
手伝ってくれた。
手付きはおっかなびっくりだったけど
すぐに覚えてしまった。
「あら?蜂蜜?」
「ええ、お砂糖よりも自然な甘みが
出るので我が家ではこれです
赤ちゃんにはあげられませんけど」
かすみの分と分けて作る私を見て
お義母さまは納得した。
焼けてすぐに端っこを味見と言って出す。
お義母さまは嬉しそうに頬張った。
「これはつくったひとの特権です」
内緒ですよと言うとお義母さまも
一緒に笑った。
そしてお昼過ぎ。
おじい様たちがお屋敷に到着した。
「ま~ま!」
私を見た途端、かすみが私に向かって
手を伸ばしてじたばたし始める。
「やっぱり一番はママか」
類は小さく溜め息を吐いて
かすみを床に下ろした。
一緒に来たお手伝いさんから
律を受け取って抱きしめる。
類は少し残念そうな表情になって
ボソリと呟いた。
「なんですか?パパはヤキモチ?」
クスリと笑いながら呟くと
唇を尖らせる類。
「かすみ、パパにヨシヨシしてあげて?」
冗談でそう言うとかすみは
私の腕の中から手を伸ばして
類の頭を私が彼女にするように撫でた。
「……ぷっ、かすみったら私のすること
ちゃんと見てんのねぇ」
「……酷いよ、つくし」
子供たちの前でも構わずに拗ねてしまう
類にそばに居た佳世さんもお手伝いさんも
顔を見合せて吹き出した。
「りっくん」
律はと言うと私の顔見た瞬間
空腹なのを思い出したのか
おっぱいを欲しがって泣き出す。
子供たちに必要とされてることを知って
私の涙腺はフッと緩んで泣きそうになる。
類に見られないように涙を拭うと
サッと隠れて律の唇におっぱいを含ませた。
力強く母乳を飲む律。
懸命にお腹を満たそうとする律の
横顔を撫でた。
家族全員で食卓を囲み夕飯を摂る。
「無事に仲直りは済ませたようね?」
「つくしちゃんの家出の理由は
なんだったの?」
「あの……結婚指輪を落としてしまって」
「まあ!」
「痩せて指輪が緩くなったんだって」
「類が苦労ばかりかけるからつくしちゃんが
さらに細くなったんだろう?」
「それもそうね」
お義母さまが混ぜっ返して全員吹き出す、
類がその様子を見て膨れっ面になる。
「なんで俺のせい?」
「……だってもう既に泣かせた後じゃない」
グッと言葉に詰まる類。
「ちゃんと仲直りしたよッ」
ムキになる類に皆笑いながら
食事が終わる。
「いえ、半分は私が悪いので……
喧嘩両成敗です」
「まあ、優しい奥さんね!
あれだけのことされて自分も半分
悪かったなんて言えるんだから
私がつくしちゃんならいつまでも
根に持ってネチネチしてやるのに!」
お義母さまがそう言うとお義父さまは
ワインを吹き出した。
もちろんお義母さまはそんな性格では
決してないのは分かってるけど。
「……勘弁してくれ」
やっぱりこの家は女性の方が
我が強いのね。
将来、子供達が親や祖父母を見て
あんな風に相手を尻に敷く人に
なったらどうしよう?
今からしなくてもいい心配を
してしまう私だった。
家族全員での夕食を終えて類は
仕事の残りを自室で片付けるのに
部屋に籠った。
その間に私は手伝ってもらって
子供達をお風呂に入れ寝かしつける。
かすみは特にグズりもせずアッサリと
夢の世界へ旅立った。
律も然り。
本当にこの子達の寝付きの良さは
親譲りだよね。
寝付きのいいふたりを眺めながら
フランス語のテキストを引っ張り出す。
我が子ながらどっちも寝かしつけで
苦労したことがない。
2人の寝顔を見ながら勉強をしてると
類が部屋から出てきた。
「仕事、終わったの?」
「うん」
「おつかれさま、飲み物淹れよっか?
たまにはあまいものどう?」
「うん、ありがと」
夫婦の部屋に備え付けてもらった
ミニキッチンに行きホットショコラを淹れる。
私の後を類が着いてきて背後に立つ。
背中から抱きしめて来て
前に手を回された。
その仕草にドキリとする。
「甘いもの……わざわざ用意しなくても
ここにあるでしょ?」
後ろから回された手が胸元で組まれる。
私の身体をホールドしてそっと抱き寄せる。
「だ、だめっ」
「つくしの身体、砂糖よりも甘いもん」
「つ、疲れちゃうよ?」
「このくらい平気」
「明日も早いんでしょ?」
いってる傍から類の手がパジャマの中に
忍び込んできて素肌をなぞる。
弱いとわかってるところに指を這わされて
抗うことが出来ない。
「ショコラよりつくしがいい」
そう言って唇に指を這わせる。
素肌を這う指が下着の中に入って来て
主張し始めた蕾をピンと弾いた。
「あっ!やん…っ」
「……あげたばかり?」
「ん…っ」
指先で探って直接、乳首を摘む。
指先で執拗に捏ねられてつい
身体が反応してしまう。
「俺、コレがいい」
背後から抱き抱えられ胸を愛撫されるのは
いつまで経っても卑猥で恥ずかしい。
「ココ、食べてもいい?」
根負けして……小さく頷いた。

