朝っぱらからイライラする。
何も知らないF2に絡まれるわ
類の機嫌は拗ねモードだわで
ちょっとウザったい。
感情を顕にするのも馬鹿らしくて
朝から無視してる。
それを面白そうに揶揄うバカコンビにも
めっちゃ腹が立つ。
「……類くんてば、嫌だ、まーた
可愛いつくしちゃんに悪さしたの?」
「懲りないわねぇ~どんだけあの
貧弱なカラダに溺れてんのよ?」
どうせ昼夜見境なく喰われたんだろ?
……と、下品な勘繰りをされたのと。
正直、類の暴挙に頭に来ていた私は
流された自分自身に腹を立てていた。
そのムカつく発言を耳にした直後に
間髪入れずに無言で手に持ってた
中身の半分入ってるペットボトルを
お祭りコンビに向かって思いきり
ぶん投げて黙らせた。
ボコッ!
狙い通りに2人の間の壁にぶち当たって
ゴロゴロとボトルが転げ落ちる。
「……うるさい💢」
下手な三文芝居しやがってホント
ムカつくったらありゃしない。
正直、殺気立っていた。
「……恐ッ」
「相変らす凶暴、だな」
「……俺、恐い彼女…ヤダ」
三者三葉に呟かれジロッと睨みつけた。
「……司の方が理性あってマトモに
見えるの…何でだろうね?」
ワザとそう呼ぶとムウッと類の
唇が尖っていく。
そんな顔したって絶対に…
もう、許さないんだから!
「……そんなに、お淑やかで清楚で
可愛らしいお嬢様が良いなら…さ
私なんかやめたらいいんじゃない?」
ヤバいと思ったけど口が止まんない。
喧嘩を吹っ掛けるつもりなんて
一切なかったのに……
ホント、私は可愛くない女だ。
こんな性格のままじゃ…
きっと嫌われちゃうね。
自己嫌悪で泣きたくなってくる。
その場にいるのが恥ずかしくて
彼らに背を向けた。
「どこ、行くの?」
「……講義、着いてこないで」
泣かないように目元に力を入れながら
そう言い捨てると私はF3の前から
走って逃走した。
走って走って…
彼らの姿が見えなくなってから
立ち止まるとフッと緊張が緩んで
涙腺も滲んだ。
視界が涙でぼやけていく。
ぼんやりとした思考のまま
その日の講義を受けて真っ直ぐ帰宅する。
その日、私は類とは顔を合わせ辛くて
一日中彼らのことを避け回った。
「つくし?どうしたの?元気ないよ?
「先輩?朝から上の空ですよ?」
また英徳に遊びに来てた滋さんと
桜子に同時に訊ねられた。
「うん、ごめ…ん」
「あー分かった!さてはつくしってば
類くんと下らない喧嘩したなぁ?」
滋さんはそうだとでも言うように
軽い調子で言ってきた。
その調子に乗れずに俯いてると
桜子に溜め息吐かれた。
「重症ですわね…そんな反応鈍るまで
落ち込んでるなんて」
「下らない悩みだから放っといて」
2人のことを勝手に周りに話して
余計な揉め事を増やすことは避けたい。
「はぁ」
溜め息を吐くと私は口を噤んだ。
「つくし~話してよ、何があったの?」
「……言えない」
「もしかしてアッチの事ですか?」
自然と顔が赤くなるのを感じる。
「なるほど…見かけによらず類くんて
独占欲強いんだねぇ」
「……着いてますよ、アレ」
耳元でコソッと囁かれ私は慌てて
指摘された場所を手で抑えた。
「……あの、クソガキ💢」
拳を握りしめて固めた私を見て
まあまあと宥められる。
ダメだ。
こんな反応しちゃったら
また可愛くないって言われる。
帰るつもりで席を立つと
両脇を2人に固められる。
ガシッと腕をホールドされ捕獲された。
「実はね、私達これからお呼ばれしてて
行くところがあるのよ、つくしを
一緒に連れてくるよう言われてるから
これから付き合って?」
「付き合うってどこへ?」
「道明寺家」
「は?主が不在の家になんて
行ける訳ないよ!」
「ああ、違うよつくしを呼んでるの
司のお姉さん」
え?椿さんっ?
……帰国されてたんだ。
そんな訳?で親友達に引き摺られて
気持ちのグチャグチャなまま私は
道明寺家に連行?されることになった。
