この日はバイト先の塾のメンバーで串カツを食べに行った。
メンバーというのは、塾長に近い存在の人とバイトのメンバー3名の合計4名である。
串カツを食べに行く理由には諸説あり、生徒数アップのための作戦会議、ただの食事会、恋愛相談会など趣旨は毎回異なる。
毎回共通しているのは塾長っぽい人が30分以上の遅刻をかますことである。
我が母校のOBの過半数が遅刻するので、そういう遅刻癖のある人に対する対応は慣れていたのだが、マジでここまで連続されると何かおかしいんじゃないかと疑ってしまうのも事実だ。
今回の串カツのテーマは1つ。
「いかに安く飲み食いできるか」ということである。
この店にはハイボールのチンチロゲームが存在し、ゾロ目が出るとハイボールが無料、奇数でも半額になるのである。
偶数では倍額になるのだが、このシステムを有効活用し、酒代を安く抑えることが求められる。
そして食べる方は、前回の串カツで記録した4人で58本という記録を更新しようという話になった。
ちなみに私は妙にチンチロが上手く、過去2回の挑戦で2回ともゾロ目を出すことに成功している。
そしてこの日の1発目。私は偶数を出した。倍額である。
まあ確率論的にはこういうこともある。
倍額になると量も倍になるのだが、ぶっちゃけ私はハイボールがそんなに好きではないので辛かった。
そして2発目。私は偶数を出した。倍額である。
これはおそらく店側が特殊賽を仕込んでいるに違いない。
ハイボールの炭酸が胃を刺激する。
これで何が問題になるかというと、食べる方に支障が出るということである。
完全に炭酸ガスが体内に溜まっているので、普通に食欲が無くなる。
しかも私はジャガイモの串が大好きで複数本食べているので、ますます腹は膨れていくのだ。
苦悶の表情で2杯目を飲み切り、3回目のチャレンジ。
私はゾロ目を出した。無料である。
苦手なハイボールも無料なら美味い。通算3回目のゾロ目は縁起の良いピンゾロであった。
ここまで酒が深まると、恋愛トークに話が咲くようになる。
大抵こういう話をしだすのは、塾長っぽい人である。
彼は出会い系サイトを駆使して数多くの女性とライン上でコミュニケーションをとることに成功し(本人は否定)実際にそこで知り合った女性と食事をしたり、ホテルに行ったりしている出会いのマスターである。
私に、どういう女性がタイプなのかと聞いてくるのが毎回の定番だ。
私は至って真面目に「日本を諦めて海外に彼女を探しに行く旅をする」などといった返答をするのだが、塾長的にはその回答は違うらしい。
最後のピンゾロチャレンジは、予算的にも容量的にも大勝負だった。
私はここで偶数を出した。倍額である。
無料か倍額かしか出さないあたりが私の勝負師と言われる所以である。
結局食べる方は4人で60本ほどの串を食べ、私が倍額を3回出したせいで会計金額は過去最高を大幅に更新した。
-----2024年4月14日の私より-----
4人で60本とは若いですね。今そんなに食べきれるでしょうか。
ハイボールが当時苦手だったことを私自身忘れていました。
今では一番好きなのがハイボールかもしれません。
とはいえ、体質的に炭酸はそれほどは飲めないので、早々にウイスキーの水割りに移行します。