●Job Hopper第5話(全9話) | 大森善郎のビジネス英語道場

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大森善郎のビジネス英語道場「オバマ大統領のスピーチから学ぶ世界の一般常識」

人は手が届かないものほど欲しくなり、高い値段でも買いたくなるものですね
転職市場も同じ
現役バリバリで一度も転職したことの無い人材は欲しくなるようです
しかし日本の文化では一度転職した人間、いうなれば「就職バツ①」はとたんに評価が低くなります

期限2ヶ月を前にして紹介されたのはあまり気の進まない会社が多かった
①プラント輸出メーカ
日本2位の実績はあるが、非常に賃金が安く労働時間が長い
東南アジア、中近東が多く、駐在期間は不明
⇒面接を受けず
②外資PCベンチャー
受付のお姉さんからして六本木でイケイケそのもののアヤシイ(まさに外資?)雰囲気
⇒お断り
(その後日本から撤退)
③電子部品商社
狭く汚い事務所。日本文化そのもの。
⇒低賃金でのオファーはあったがお断り

贅沢を言える立場で無いことを痛感したが、それでも夢を追いたかった
もうダメだと思ってあきらめかけた日に電話があった
「△△△はどうですか」
なんと!日本を代表する光学機器メーカであった

書類審査を通り、海外営業部長との面接にも合格した
明るいオフィス、生き生きした雰囲気、これから更に市場を開拓する活気にあふれていた
余談だが、営業部を案内してくれた可愛い女性が、なんと一目ぼれしてくれて、キラキラと瞳を輝かせて話しかけてくる
(こんなこと一生に一度だぞ、えらいこっちゃ)
営業部長も(○○さんが入社を楽しみに待っているよ)と言うくらいだ

最後に社長面接になった
新聞でも見たことのある人だ
副社長二人と一緒に、落ち着いたおおらかな人格に圧倒される思いだったが、精一杯の誠意をもって必死に話をした

数日後、合格の知らせが来た!
遂にあの新宿の高層ビルで働くときが来たんだ
ちゃんと認めてくれる人もいるんだ
世の中捨てたものじゃないんだ!

人事部に手続きに行き、人事課長と部長に明るく迎え入れてもらえた
(新しい人生の出発だ!)
心は晴れ渡り、12月の寒空さえもすがすがしく感じた

いよいよ辞表届けを出そうという日の朝
一本の電話が鳴った・・・

(第六話へ続く)



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英語レッスンの記事はこちらに引越しました。