●Job Hopper第4話(全9話) | 大森善郎のビジネス英語道場

大森善郎のビジネス英語道場

大森善郎のビジネス英語道場「オバマ大統領のスピーチから学ぶ世界の一般常識」

朝まで一睡も出来ず、その足で新幹線で東京に帰った
日赤で検査をした所「慢性副鼻こう炎」つまり蓄膿症ですぐに入院・手術となった
膿が頬骨の上に溜まったのを取り出す為に歯茎の上を削って穴を開ける
そして鼻の穴が曲がっている(日本人の七割がそうらしい)ので鼻の「骨を削って」真っ直ぐ息が通るようにする外科手術
…卒倒しそうな内容だ
幸い?というか当然ながら全身麻酔だという

一、二、三まで数えることなく意識が遠のいた
気がついたら病室のベッドに横たわっていた
全身を麻酔させるのは人体にすごく不自然なことをするわけだ
一人で小用ができるまででも一週間はかかった
回復までの治療は手術よりも辛かった
耳かきの細いようなものを鼻の穴から脳に届くかと思うほど突っ込まれる
キーンという痛さは経験者しか分からないかもしれない

退院まで1ヶ月かかったが、回復だけに専念できたことはある意味で現実逃避ができたモラトリアムだったとも言えるだろうか

大阪を出たのは夏の終わりの頃
日赤を後にしたのはもう枯れ葉舞う10月末
秋の涼風が病み上がりの身体に染み込んだ

暖かい言葉など期待していない
しかし銀行通帳で目にしたものは「給与0」という現実だった
中小企業の福利厚生とはそういうものだ
特に入ったばかりの中途採用者に、なんで特別の計らいなどあろうものか

自ら選んだ道だ
大学を卒業する時だって一部上場企業に採用合格しながら(海外に駐在したい、人生は冒険だ!)と言って親の反対も押し切って名もない中企業を選んだのだ
そして現実にその夢をかなえたことで後悔は無いはずだった
なのに…弱気の虫が囁いた
(無難な人生を歩めばよかったのに)

イギリスへの労働許可証の申請が始まった
今年中に決着をつけない限りウエールズに赴任するか路等をさまようかの二者択一しか残されていない

人材紹介の会社と再び打ち合わせをした
…あんなに引く手あまただったのに門戸が閉じられたように様子が変わっていた

また新たな現実の厳しさを学ぶこととなった
それは…

(第五話へ続く)



---
英語レッスンの記事はこちらに引越しました。