●Job Hopper第6話(全9話) | 大森善郎のビジネス英語道場

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大森善郎のビジネス英語道場「オバマ大統領のスピーチから学ぶ世界の一般常識」

実は一週間前にアメリカの大企業コダック社の筆記試験を受けていた
紹介を受けた時には不安になってたずねた
「もし両方とも受かってしまったら困りませんか」
「一つだって受かるのは奇跡的なことだよ。もし両方受かったら責任を持って何とかするよ。」
と笑って送り出されたのだ

なんとそのコダックの筆記試験に合格したので明日面接試験に来て欲しいというのだ

面接に行った
先日は人事部の会議室で筆記テストを受けただけなので分からなかったが…
今まで見たどんな会社とも物理的に違う

なんと高さ2m強のパーディションに囲まれた四畳半くらいのオフィスが林立して並ん でいる
その入口には一人ずつセクレタリと称する女性が机を構えている
(ドラマでさえ見たことの無い光景じゃないか)
目を丸くするばかりの私に案内の人が微笑んだ
「この部屋でお待ちください」

三人の日本人が面接に現れた
簡単な英語の質問
失礼ながら発音は大したことはないのだが、聞き慣れないアメリカ英語の意味が不明で聞き直す
その後の質問は今までの経緯を尋ねるもので、人格を貶めるような内容も含み不快だった
しかし正面から目を見据えて自分の考えを述べた
(人生はそれぞれの人間が必死で考えて辿った道のりだ。これで落とすなら落としてみろよ。)
当然落ちたと思った

…2日後「合格です。アメリカ人支社長との最終面接に来てください。」

え?!有り得ない
受かるわけないが、万が一受かったらどうするんだよ
新宿のオフィスに心を決めたのに、あの優しい人達を裏切るのかょ

複雑な思いを抱いたまま最終面接に入った
白髪の大柄な好感の持てるアメリカ人紳士が暖かく迎えてくれた

先日の日本人達よりも余程分かりやすい英語で親しみ深い質問をしてきた
海外で仕事をしていた時のように気持ちよく受け答えができ、心地よい時間が過ぎて行った
(先日の連中とは雲泥の違いじゃないか、どうなってんだ)

日本人責任者と部長達が部屋に招かれた
白髪アメリカ人紳士は言った
「君たちは彼を採用したくて仕方ないんだろう、わかってるよ」


皆が微笑んでうなずいた
そして言った
「おめでとう」





(第七話へ続く)



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英語レッスンの記事はこちらに引越しました。