製作:スー・ヴァーチュー
製作総指揮:スティーヴン・モファット/マーク・ゲイティス/ベリル・ヴァーチュー/ベサン・ジョーンズ/レベッカ・イートン
脚本:マーク・ゲイティス/スティーヴン・モファット
プロダクションデザイン:アルウェル・ウィン・ジョーンズ
衣装デザイン:セーラ・アーサー
出演:ベネディクト・カンバーバッチ/マーティン・フリーマン/ユーナ・スタッブス/ルパート・グレイヴス/マーク・ゲイティス/ルイーズ・ブレーリー/アマンダ・アビントン 他
シャーロック・ホームズとジョン・ワトソンの名コンビが21世紀のロンドンを舞台に活躍する英国BBC製作の世界的大ヒットTVドラマ「SHERLOCK/シャーロック」の特別編。

評価★★★★☆
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[STORY]
1895年、冬のロンドン。花嫁姿の妻に驚愕するトーマス・リコレッティ。なぜならリコレッティ夫人は、数時間前に自ら命を絶っていたのだ。レストレード警部から夫が妻の幽霊に殺された、と事件の説明を受けたシャーロックはワトソンとともに事件解決へと乗り出すのだった。
[IMPRESSION]ネタバレ注意!
TVシリーズのシャーロックを見ずに劇場へ行くのはやめましょう(^_^;)
さっぱり分からず取り残されてしまいます!!(笑)
さて、舞台は19世紀末のロンドン。
アフガニスタンで負傷したワトソン医師は、ロンドンに戻り、聖バーソロミュー病院で共に過ごしたスタンフォードと再会。
現代版と同じく、下宿先を探すジョンにスタンフォードはシャーロックを紹介する。
その後、オープニング・タイトルの後は、すでにシャーロックとジョンがロンドンではお馴染みの名探偵コンビとして世間をにぎわせており、ジョンは作家としてストランド誌に自伝を掲載している。
二人が部屋に戻ると、ベールをまとった女性の依頼人。
しかしシャーロックはそれが、仕事ばかりして家に全然帰らないジョンの妻メアリーである事をすぐに見抜く。

ワトソンとメアリーが口論をする中、事件を抱えたレストレード警部がやってくる。
その事件とは、複数の男性を殺した後、拳銃自殺した"花嫁姿の妻"が生き返って夫を殺したというもの。

シャーロックはジョンを連れだって早速事件の捜査に。
取り残されたメアリーは、レストレードに、
「婦人参政権運動に参加してる」と告白。
その後、謎の人物「M」から呼び出されて出かけるメアリー。
シャーロックとジョンはモルグに向かう。
そこには宿敵アンダーソン(笑)。
そしてハンサムに男装したモリー。
シャーロックはモリーの性別など気にもとめていない感じだが、ジョンは彼が女性であることを見抜いていた。

シャーロックはその後、ジョンに電報を打ち、
「すぐに来い」と。
その頃、ジョンは不器用なメイドにイラついている。

そしてシャーロックとジョンは、ディオゲネス・クラブへ。
現代版でもここは会話が禁止されているクラブで、この時代でも同様。
シャーロックは入口でコンシェルジュに手話で話しかける。
「兄は中にいる?」
「はい、朝食中でございます」
見よう見まねでやってみるジョンだが、手話が誤字だらけ(笑)。

そして中に入っていって二人の前に現れたのが、巨漢の兄マイクロフト。
シャーロックは、既に解決したマナー・ハウス事件の犯人?アダムスが王立天文学会の論文を書いていたことから、兄に天文学についての質問されると予測。
兄に会う前に天文学の資料を確認していた(笑)。
そして兄マイクロフトは、シャーロックと「過食でいつ死ぬか?」という賭けをしている最中だとか。
そんな賭けの為に命をかけて必死で食べ物を口に頬張るマイクロフト。
マイクロフトは、レディー・カーマイクルの調査依頼を引き受けて欲しいと話す。
しかし、この敵を我々は「倒すことも出来ず、勝つ事も出来ない。なぜなら彼らは正しいからだ」というマイクロフト。
さっそく、レディ・カーマイクルを尋ねることに。
話を聞くと、彼女の夫、サー・ユースタスが例の"花嫁"に脅かされているという。
さっそく夜の屋敷に忍び込み、花嫁の亡霊を待つ事に。
張り込み中、ジョンは以前ホームズの懐中時計のアイリーンの写真を見てしまった事を告白。
そしてどうして一人でいようとするのか?と問いただす。
すると「僕が僕を作ったのだ・・・」と。
その瞬間、犬の遠吠え・・・。
「Red Beard?(赤ひげ)」?
赤ひげと呼ばれていたシャーロックの愛犬はどのような影響を与えたのでしょうか?(^_^;)

そうこうしているうちに花嫁姿の女の姿を目撃した二人はすぐに屋敷へと駆け込む。
しかし既にサー・ユースタスは剣で刺されて死んでいた。
ジョンは花嫁の姿を見たと言い張るがシャーロックは信じない。
のちにレストレードがやってきて現場を検証。
死体には「Miss Me?」というメッセージが残されていたが、シャーロックが発見したときにはこのメッセージは無かったと言う。
このメッセージ、「Miss Me?」は、現代版シャーロックシーズン3で、モリアーティがシャーロックに宛てたメッセージ。

再びディオゲネス・クラブで兄と面会するシャーロック。
マイクロフトは、「リストは作ったか?」「データ内のウィルスは」など、なにやら現代版で使うような言葉が飛び交う。
ここはどうやらシャーロックのマインドパレス(精神の宮殿)のようだった。
シャーロックは現代版シーズン3で死んだはずのモリアーティを呼び出している。
彼はシャーロックの前で再び銃を抜き、頭を撃ち抜く。
しかし死なず、まだ生きている。

なんで生きているんだ? 何故死んでいない??
問いかけるシャーロックにモリアーティは「これは君を殺す"落下"じゃないんだよ、シャーロック」と語ります。
すると舞台は現代のシーズン3の3話のエンディング。
シャーロックの乗った飛行機が滑走路に戻ってくるシーンに転換。
我に返ったシャーロックはヴィクトリア朝時代に戻りたがっている。
マイクロフトとジョン&メアリーは訳が分からない。

はて?
現代版が本当の今なのか?ヴィクトリア朝が今なのか???
こんなシャーロックをマイクロフトはすぐにコカインをやったと見抜く。
兄の体重の話しをして気をそらそうとするシャーロック。
シャーロックの再び意識が混濁し、ヴィクトリア朝時代のジョンの「モルヒネか?それともコカイン?」の声によって、元の時代に引き戻されるシャーロック。

シャーロックはメアリーからの電報を受け取り、ジョンと彼女の元へ。
彼女はマイクロフトの指示で極秘にリコレッティ夫人の事件を追っていた。
3人がある教会へ忍び込むと、そこにはモリーやジョンの家のメイド、そしてシーズン3でシャーロックの一瞬の彼女だったジャニーンの姿も。

リコレッティ夫人の自殺はトリックである事をシャーロックは見抜き、これは夫から酷い仕打ちを受けた彼女を助けるため、夫に復讐する同盟を組んだ女性たちの戦争であると悟る。
そして、事件を依頼してきたレディー・カーマイクルの姿もあると推測するシャーロックだったが、そこには彼女ではなく、モリアーティが・・・・。
「お前のはずがない…」
「シャーロック、マジになれよ」「これは現実じゃないんだ」
シャーロックの意識は再び現代へ。
病院へ運ばれたシャーロックを、マイクロフトとジョン、メアリーが見守っている。
目が覚めたシャーロックは、100年前に死んだリコレッティ夫人の墓を掘る!と言い出す。

真相が知りたいシャーロックにジョンは呆れてメアリーと帰ってしまう。
残されたシャーロックはレストレードと共に墓を掘り続ける。
マイクロフトは見てるだけ。汚れたくない(笑)。
シャーロックの期待は外れ、墓には手がかりなし。
しかし掘り起こした花嫁の腐った遺体が急に起き上がり・・・・、
そして、次の瞬間、またもヴィクトリア時代の滝の中。
再びモリアーティと再会。
彼はシャーロックに「おめでとう。君は史上初めて自分のマインドパレスに埋葬される男になるんだ」と言う。
「お前は何者だ?」と問いかけるシャーロック。
彼の頭の中にモリアーティの存在はウィルスのように付きまとっているのだ。

取っ組み合いになり、ボコボコにされるシャーロックだったが、そこに銃を持ったジョンが現れ優勢。
そしてモリアーティを、後ろから一蹴して滝壺に落とすのだった。

その後、シャーロックは自ら滝壺に身を投じ、再び現代の飛行機の中に戻るのだった。
モリアーティが仕掛けた現在の事件を解決すべく、すぐにベイカー街へ戻ると言うシャーロック。
ふらつきながら飛行機を降りようとする彼に、マイクロフトは、ドラッグを絶つよう迫ります。
しかしマイクロフトの言葉を遮るようにして出て行くシャーロック。
マイクロフトはジョンに、
「弟を頼む」と伝え、シャーロックの切り裂いたリストを拾い集めて手帳に挟みこむのだった。
というストーリーでした。
シリーズを全て見ている私でもこれは戸惑いました(笑)。