監督:オーレン・ペリ
製作:オーレン・ペリ/ジェイソン・ブラム
製作総指揮:スティーヴン・シュナイダー
脚本:オーレン・ペリ
編集:オーレン・ペリ
出演:ケイティー・フェザーストン/ミカ・スロート/マーク・フレドリックス/アンバー・アームストロング/アシュリー・パーマー
超低予算で製作されたインディーズ作品にもかかわらず、評判が口コミで広がり、全米公開が実現するや尻上がりに順位を上げ、ついには興行成績で第1位を獲得してしまった空前の大ヒットとなり、全米で社会現象と呼べるセンセーションを巻き起こした戦慄のスーパーナチュラル・ホラー。
評価★★★★☆
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[STORY]
一組のカップルが夜ごと悩まされる不可思議な現象の実態を突き止めようと部屋の中にビデオカメラを設置、はたして次々と彼らに降りかかる怪奇現象の数々を克明に捉えていくさまをドキュメンタリー・タッチで描く。
[IMPRESSION]ネタバレ注意!
ホラーは劇場でほとんど見ない私。
でも前評判から察するに、見ておかないといけません。
トリビアとしては、
追加撮影と編集は、ドリームワークスがハリウッド映画としてこの作品のリメイクを計画したため、スピルバーグの目に留まり、そのアドバイスでラストシーンを変更したという。その上で、ドリームワークスは「これ以上の作品を作ることは出来ない」とリメイクを断念し、オリジナルが公開されることになったとか。
ネタバレしますが、これから見る人は、オチを知ってしまうと面白くありません。
オチ部分は再度警告します♪
ケイティとミカは、ごく普通のカップル。
ケイティが夜、不思議な現象に悩まされていることを聞いて、ミカはビデオカメラを購入し、生活の一部始終を撮影して解明しようとする。
一方で撮影を楽しむミカ。超常現象もあまり信じていない。
夜、暗視カメラモードで撮影を開始。
しかし1日目は、何やら変な物音がするだけで何もない。
2日目。
扉がふぅ~~っと閉まって、また開く映像が残されていた。
怖くなったケイティは、心霊学者を呼び、状況を話しするが、心霊学者は、
「悪魔だ。これは専門外・・・。他を紹介するよ!」
と言って帰ってしまった。
そういわれても信じないミカに対し、ケイティはそんなミカの言動を不安に思う。
ミカは目に見えない悪魔に対し、挑発しようとする。
ミカは、ウィジャーボード(米版コックリさん)を使って、悪魔と交信しようとするが、挑発して欲しくないケイティは、怒って家を出て行く。
その後を追うミカ。
すると、その留守中にウィジャーボードが燃え、文字を示すような跡が残されていた。もちろんその映像もカメラに収められている。
そこには、女性の名前らしきものが・・・・。
日に日に眠れなくなるケイティ。
ミカは、ウィジャーボードに示された名前をネットで検索。
すると、60年代にケイティと同じような体験をした女がいることが判明。
彼女は「悪魔祓い」をし、亡くなってしまったと言う。
それを知ったミカは、「悪魔祓い」のは危険だという。
しかし、ケイティは心霊学者に紹介してもらった悪魔祓いの学者(エクソシスト)に連絡を入れるが、彼は出張中で、2~3日は帰ってこないという。
仕方なく、もう一度、心霊学者に来てもらうことになったが、彼は、
「私の存在は悪魔を余計怒らせる・・・」
と言ってそそくさと帰ってしまった・・・。
次第に悪魔のいたずらはエスカレートし、ケイティの体にも異変が起こる。
彼女の背中には噛まれたような傷跡・・・・。
そして、また夜になると、物音がし、廊下の壁の写真のミカの顔が切られていた。
そしてまたある夜、寝静まった深夜に、何かがケイティの足を引っ張り、彼女は廊下に引きずられていってしまう・・・・。
悲鳴で目を覚ましたミカは、彼女を追いかけ、何かから連れ戻した。
パニックを起こしているケイティは、
もうココを離れたい!
と言い、家を出ることをミカに訴える。
この悪魔はケイティに憑いているから意味がない!とミカは言うが、それで彼女の気が治まるならイイか・・・と思い、一緒に家を出る準備を始めた。
ボチボチネタバレです。
翌朝、ミカが家を出る準備を済ますと、ベッドで横になるケイティに、行こうと促すが、
「行きたくない。ここにいる」
と言い出した。
とりあえず落ち着いたのだと思ったミカは、ケイティのいうように家に留まることにし、また夜を迎えた。
寝しずまったはずの深夜、
ケイティはむくっと起き上がり、眠っているミカを数時間にわたって見つめ、その後階段を降りて叫び声を上げた。
ビックリしたミカは飛び起きて彼女を助けに走る。
当然カメラは据え置かれた状態なので、ベッドと入り口と階段をうつしたまま。
その後、しばらく沈黙が続く。
すると、ゆっくり階段を登ってくる重々しい足跡が聞こえ始め、次の瞬間、ミカの体がカメラに投げつけられ、カメラは三脚ごと倒れてしまう。
ケイティがゆっくり現れ、彼女の服は血だらけになっている。
ケイティはカメラの前で息絶えたミカの体を嗅ぎ、カメラに向かって笑顔を見せる。
そしてカメラに向かってもの凄い形相で、突進。
ここでエンディング。
いつの間にかケイティに憑いてしまった悪魔が、ミカを殺し、その後彼女は行方不明になったという。
序盤の演出は実に地味で、一般的なホラーよりもつまらないかも知れない。
しかし、何も見えない所が、余計に観客の想像力を増幅させて、観客自身が恐怖を作り上げていく。
最後の演出は、お見事。
絶妙の間。
見えない悪魔の姿を、どう描くのか?
微笑むケイティが、最後に見せた悪魔の姿は、鳥肌モノで、劇場があんなに悲鳴でうるさくなったのを聞いたことがないくらいだった。
久々に面白い映画を見たなぁ(・∀・)