製作:チャールズ・ローヴェン/エマ・トーマス/クリストファー・ノーラン
製作総指揮:ベンジャミン・メルニカー/マイケル・E・ウスラン/ケヴィン・デラノイ/トーマス・タル
原案:クリストファー・ノーラン/デヴィッド・S・ゴイヤー
脚本:ジョナサン・ノーラン/クリストファー・ノーラン
プロダクションデザイン:ネイサン・クロウリー
衣装デザイン:リンディ・ヘミング
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード/ハンス・ジマー
出演:クリスチャン・ベイル/マイケル・ケイン/ヒース・レジャー/ゲイリー・オールドマン/アーロン・エッカート/マギー・ギレンホール/モーガン・フリーマン/エリック・ロバーツ/ネスター・カーボネル
狂気の悪“ジョーカー”の登場により自らの存在意義そのものを問い直される闇のヒーロー、バットマンの心の葛藤と決死の戦いをリアルかつダークに描き出す。

評価★★★★★ 文句なし!
--------------------------------------------------------
[STORY]
ゴッサムシティでは、バットマンとゴードン警部補が手を組み、日々の犯罪に立ち向かっていた。そこに新しく赴任した地方検事のハービー・デントを加え、犯罪の一掃を進めていく。だが、白塗りの顔に裂けた口の“ジョーカー”と名乗る正体不明の男が闇の世界で頭角を現わし、バットマンを嘲笑うかのように次々と凶悪事件を引き起こし、いよいよバットマンたちを窮地に追い込むための謀略を開始するのだった。
[IMPRESSION]ネタバレ注意!長いよ。
■クリスチャン・ベール・・・
『家族への暴行騒ぎ』があってまさに『ダークナイト』になったね(゚Д゚ )
残念ながら、
この作品の主役はジョーカーです!
なので、クリスチャン・ベールは今回はどうでもいい(笑)
むしろ、ヒースの存在が際立ってしまい、ジョーカーを応援したくもなった作品。
■マギー・ギレンホール・・・
前回レイチェルを演じたケイティ・ホームズに違和感を感じた人は多かったみたいだけど、私はどうしてもこのマギーはしっくり来なかった。
だから余計に感情移入できず、ハービーとどうなろうが、最後にどうなろうが、正直どうでも良かったし、かえってブルースと恋仲にならずに良かったと思う。
■アーロン・エッカート・・・
彼が『マスクをつけない真のヒーロー』として地方検事役で出演するまでは良かったと思うが、彼が『トゥーフェイス』となる必要があったのだろうか?
ジョーカーの狙いは、
誰でも悪になりうることを証明する
ことである。
トゥーフェイスを登場させずとも、ハービーを悪人にする事は可能であったし、この作品の『悪』はジョーカーだけで終わらせて欲しかった。
■ウィリアム・フィクトナー・・・
出ていることにビックリ!あっという間に居なくなるけど、出ていることに感激して、映画開始10分は興奮気味!
そしてヒース・レジャー!
この作品を見て、改めてヒースの死を残念に思う。
確実にヒースのジョーカーで続編があっただろうエンディングに、見終わった後の消化不良感が残る・・・。
1989年の『バットマン』でジョーカーを演じたジャック・ニコルソンも強烈なイメージを残してくれたけど、ヒースの場合、最初は『なんじゃこりゃ?』なんだけど、登場するごとに『恐怖』が倍増していく。
何をしでかすか分からない人ほど恐ろしいものはなく、ヒースはその狂気を見事に表現している。
舌を出して唇をぺろぺろ舐めるしぐさも、見れば見るほど気味が悪い。
もうこのジョーカーはもはやヒースの面影はなく、何かに取り憑かれてしまった男そのものよね。
このジョーカーの行為は何かを欲するためのものではなく、前述したように、
『誰でも悪になりうることを証明する』
為にバットマンと対峙する。
ゆえに、バットマンを殺す事を望まず、生きてバットマンと戦うことで自分の存在意義を見出している。
劇中で、ジョーカーは『人の死』そのものよりも、それに関わる事で生まれる感情に興味を示していて、まんまと引っかかったのがトゥーフェイス。ジョーカーの完全勝利よね(゚Д゚ )
警察に捕まっても恐れる事なく、『おれは計画はしない』といいながら、実はそれも計画にあった事。
まんまとジョーカーの罠にはまって行く様子、そして容赦のない残虐な行為に、賛否両論、批判も多かったようだけど、それでも彼の迫真の演技は賞賛すべきだと思う。
でもところどころ笑えるんよね。
起爆装置が利かなくて押しまくってたら大爆発になって自分でビックリしてたり。
ヒースがナースになったり。
アカデミー賞はぜひヒースに!!
選挙か。
最後に、ジョーカーが死なずに終わったから、余計に次作を期待し、また残念に思う。
私には単に残虐な作品ではなく、美しくも儚く切なくも感じた作品です。