90歳おばばの言いたい放題 (23)90代での生き甲斐
4年前に突然声が出なくなり、病院で検査してもらったら以前からあった甲状腺の腫瘍がいつの間にか「がん」になっていて、片方の声帯を動かなくしていることが分かりました。(おまけに肺にまで転移していました)その後手術をして声帯の修復手術も受け、今はなんとかいくらか声は出るようになっています。でも歌を歌ったり大きな声を出すことは出来ません。耳も遠くなり、視力もかなり落ちました。両脚とも骨折をして金属が入れられているので歩幅は狭くなり、外を長く歩く時には杖が必要となりました。それでもまだ車の運転は出来ますし、日常の家事、買い物などは一人でこなしています。時には飛行機で東京方面へ一人で出かけてもいますが、80代に比べれば出来ないことがぐんと増えました。主人との二人暮らし、毎日3度の食事の支度と後片付けはしていますが、お掃除は週に2回来てくださるヘルパーさんにお任せです。2年前まではしていた畑仕事や庭仕事も出来なくなったので、今出来ることと言ったら読書とパソコンで遊ぶことくらい。テレビも見ますけれど、ほとんど主人が独り占めをしているのでたまに夜になってから週に2,3回見るくらいです。そんな中で何か「生きている」という手応えのようなものを感じたいと思っていました。何か社会の一員としての存在感が得られるものを感じられないかと思っていたら、友人が「シニアモデル」を募集している所があると教えてくれました。ちょっとびっくりしましたが、先ず書類選考に応募しました。声も出ないし動きも難しいけれど、それで出来ることがあるならと言う条件で。その後オンラインでの説明と面接があり、結果は何と合格でした。90歳のおばばをちゃんと「一人前」に扱ってもらえただけで嬉しかったです。12月には東京へ行って正式に事務所と契約書を交わし、プロフィール写真も撮っていただきました。ところがその直後、主人の大腸がんがみつかったのです。検査やら内視鏡手術での1日入院、そしてその1か月後の本番手術、と病院通いが続き落ち着きません。その間にも事務所からは度々仕事の紹介が入って来ます。主に化粧品や健康食品の関係ですが、中にはカフェで談笑しているところなどというのもあります。手取り額なども明示されて魅力的なのですが、今のところ動きが取れず全て見送り。自分で興味があればエントリーをして申し込む形になっていますが、主人が退院して落ち着くまでは動きが取れません。でもこうして社会と直につながっているというだけで、なんとなく「生きている」という実感を味わえるのは楽しいものです。そのうち一度くらいは「お仕事」をして、ちゃんとギャラなるものを手にしてみたいものです。その頃はもう91歳になっていますが、その日がいつになるか楽しみに待つことに致しましょう。