91歳おばばの言いたい放題 (29) トシをとったら積極的に生きること
老人になれば力はなくなるし若い頃には出来ていたことが出来なくなる。これは仕方ないことだけれど、それで諦めていたらどんどん弱くなり気力もなくなって行く。老いの坂は急坂だ。転げ落ちるのも早い。2年前の秋、私は思わぬ骨折をした。その9年前に左脚の大腿骨を骨折して金属棒でつないでいるので転んではいけないと細心の注意をしていたのに、持ち前のそそっかしさから見事に転んでしまったのである。今回は右脚大腿骨。また同じような金属棒が入ってしまった。片方でさえかなりの脚力を失ったのに、両脚とあってはもうほとんど歩けない状態。手術後5週間で退院はしたものの、家までの交通機関はずっと車椅子。タクシーで自宅に戻ってからは家の中でも杖が必要だった。その年の夏まで庭の草刈りや畑での野菜作りをしていたけれど、どちらも出来なくなった。半年後には90歳の誕生日を迎えたので丁度区切りもいいので一切の外仕事は断念。十数年通い続けたカーブス(女性専用の筋トレジム)もやめることになった。家事は待ったなしなので3度の食事の支度と片付け、洗濯、掃除機かけはしたけれど、外での仕事は何も出来なくなった。毎日のように乗っていた車を運転したのは骨折から4か月後。ブレーキを踏みながらエンジンをかけ、フットブレーキをはずしてシートベルトをかけたのにアクセルを踏んでも動かない。何のことはない、ギアをドライブに入れ忘れている。たった4ヶ月乗らなかっただけでこの始末、情けない。その日から少しづつ積極的に外へ出るようにして、杖つかないと歩けないので障がい者専用の場所に車を停めては買い物にも行くようになった。その頃から家に毎週若い女性の鍼灸師の方が来てくださるようになり、私は週2回鍼とお灸、マッサージ、そして足のリハビリ、主人は週1回鍼灸だけ受けることになった。この方がとても明るい元気な方でいろいろと話も合うのでとても楽しい。そのうち申請していた介護保険の方から「要支援2」という認定をいただき、週に一回通所型のデイサービスで運動に行けることになった。送り迎え付きで筋トレとストレッチ、要酸素運動も出来るのでありがたい。週2回行っていたカーブスより回数は少なくても運動量は同じくらいだと思う。カーブスのおかげであんなに嫌いだった運動が好きとまではいかなくても、すっかり習慣として定着したのはありがたいことだ。少なくてもおっくうではなくなった。こうした暮らしが2年続いたらメキメキと脚が丈夫になり、以前と変わらぬように歩けるようになった。遠方への外出には杖を持参するけれど、近くのスーパーなどの買い物ではワゴンがその代わりを務めてくれるので不要。そして今日、2年ぶりに草刈り機にバッテリーをつけてスイッチを入れた。思ったより軽いではないか。とりあえず目につく雑草を刈り始めたらどんどんきれいになって行く。1回20分のバッテリーを2個連続で使って久しぶりの草刈りをした。全然疲れない。それで分かったのだ。歳を取ったから、怪我をしたから、と消極的になってはいけないということが。むしろ積極的に動くこと。まわりもあまり老人を大事にし過ぎてはいけない。出来ることはどんどんさせること。それが気力も養うのだ。勿論段差のある所に気をつけたり高い所に上ったりはしないよう注意をしながら、それでも気持ちは常に積極的でいたいと思っている。