「でも、今回のことでわかりました。今を大事に生きること。未来を憂いてばかりだと、何も行動できませんよね。今回、若い二人に出会ったことは私の最大のチャンスだと思って、フリースクール事業に取り組んでみます」
高山は強く決心をした。だが、何から手を付けるべきなのか。まずはこのことを妻のりほに話してみることにしよう。そう思った。
早速帰って話をしたところ、驚く反応があった。
「えーっ、あの動画配信者のさちさんに会ったの!じゃぁ、もう一人の若い男の子ってもしかしたらくじら小僧さん?」
「えっ、だれ、それ?」
「歩、知らないの?くじら小僧さんって最初はゲームの動画配信者だったんだけど、今じゃ社会貢献活動もやっているすごい若者なんだよ。それにとても謙虚だし、自分が悪いわけじゃないのに謝罪会見もして」
りほは一気にくじら小僧こと佑樹のことをしゃべりまくる。まさか、そんなすごい二人と出会っていただなんて驚きである。
「でね、その二人がうちの施設を見学に来たいって言っているんだ」
「えっ、それは大変!きちんと片付けなきゃ」
「いやいや、普段の姿を見てもらうのが大事だよ」
りほの張り切る姿を見て、微笑ましく感じる高山であった。
〜おしらせ〜
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