「それで、新人くんとの仲はどうなったんですか?」
「高山さん、そう焦らないの。ここからがいいところなんだから」
そうやって飯塚は長々とサウナでの出来事を語る。どうやらそこで今の自分の気持ちを素直に新人に話したところ、そういうふうに見られているとは思わなかった、ということらしい。なのでこれからは気をつけますということになったとか。
「いやぁ、裸になって腹を割って話すっていいね。高山さんも今度一緒にサウナ行きましょうよ」
「そうですね、そういうのもいいな。ところで、まだ飲み物注文していなかったですよね」
「あ、そうだった」
のりこも飯塚の話に聞き入ってしまって、そのことをうっかり忘れていたようだ。
「もちろん、シェリー・ブレンドを2つお願いします」
「かしこまりました」
このときである。のりこと入れ替わりにカウンターにいた女の子がこちらにやってきた。
「あの、すいません」
「あ、はい」
「私達、動画配信をしているんですけど」
この言葉で、二人はあらためて女の子の顔を見る。すると、高山が驚いた声を上げた。
「あー、さちさんだ!この前まで四人組でやってみたシリーズ配信してた!」
「そうそう、私達です。うれしいなぁ」
〜おしらせ〜
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