高山と飯塚、そしてマスター三人の会話にのりこが入ってきた。
「私、前にこんなこと聞いたことがあります。過去を悔やむな、未来を憂えるな、今を大事に生きろ、って」
「のりちゃん、それが今回の味とどういう関係があるんですか?」
マスターものりこの言葉の意味がわからずに質問をした。これにたいしてのりこの答はこうだ。
「さきほどタイミングって話が出たじゃないですか。今を大事にしている人って、ものごとのタイミングがわかるそうなんですよ。けれど、過去を悔やんだり未来を憂えている人はそのタイミングを逃しちゃうって話しです」
「なるほど、つまり私にとってはどこかで最良のタイミングがやってくる。それがおそらく次にここにやってきた時だ、ということなのかもしれないな」
「おそらくそうじゃないかなって」
「高山さん、また機会を作ってカフェ・シェリーに来てみましょうよ。それにオレも新人と風呂に行った結果を報告してみたいし」
「そうですね。それに先程の言葉で気づきました。未来を憂えすぎているんだなって。これから先のことを考えると不安ばかり襲ってきていたから。今を大事に生きることを忘れていましたよ。いい言葉をありがとうございます」
〜おしらせ〜
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