Cafe Shelly next 第22話 捨てる神、拾う神 その31 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 聞けば喜林は、ニューハーフのいるお店に行ったときに社長の息子さんと知り合い、そこで話が弾んだときにお互いのことがわかったそうだ。そして息子さんから喜林のことが社長の耳に入り、社長が実情を打ち明けてくれたとか。

 

「まぁ、オレも社長の息子、いや娘さんを応援したくてな。あ、もちろんこういったお店に遊びに行ったことはカミさんには内緒でよろしく」

 

「ははは、まぁ喜林らしいな。けれどそのおかげで私の社内での立場も保てることになりそうだし。今まで自分のことで思い悩んだこともあったけれど、きちんと話せば理解してくれる人もたくさんいるんだな。世の中捨てたもんじゃない」

 

「そうそう。捨てる神あれば拾う神ありっていうだろう。柊、お前に拾われて助かった商品もいままでたくさんある。それと同じだよ。人にも商品にもいいところは必ずある。そこを見極めて磨きをかければ、多くの人から受け入れられるものだな」

 

「あぁ、お前の言うとおりだ。ありがとう」

 

 こうして柊は新しい自分の道を歩み始めた。淳と一緒に、これからの人生を進んでいこうとあらためて決意した。

 

 この先、多くの人を救って拾える、そんな人になりたい。それが今の柊の願いである。

 

<第22話 完>

 

〜おしらせ〜
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