さらに、参加者の一人には大箱の部下であった若松もいる。今回の道房の営業セミナーの内容を見ることで、若松の心の中にある決心が芽生えてき始めていた。
「とまぁ、こういった感じで営業を行えば、新規のお客様を獲得することは可能になります」
道房の営業セミナーもいよいよ終盤に差し掛かる。ここからは本来の流れであれば、有料のセミナーへと促す場面に差し掛かるのだが、ここで道房は意外な行動に出た。
「今回、みなさんにお見せしたこのスライド。こういった資料を活用しないとこれからの時代の営業は難しくなります。実はオレはこういった資料を作るのは苦手だったんです。けれど今回、この物語に登場した大箱さんという協力者を得ることでそれが可能になりました。こちらがその大箱さんです」
なんと、道房は大箱を画面に映し出して紹介するという行動に出たのだ。
「こんにちは、大箱です」
「大箱さん、ちなみにですけど、会社を辞められたきっかけってあったんですか?」
「えぇ、まぁ。実は辞めたのではなく辞めさせられたんです」
少し暗い顔でそういう大箱。
「何かあったんですか?」」
道房はレポーターのごとく質問をする。そこで大箱は顔を上げて語り始めた。
〜おしらせ〜
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