Cafe Shelly next 第17話 仕事ができない人 その15 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 安西は急いで手元に残っていた仕事を切り上げ、十時に間に合うようにカフェ・シェリーへと足を運んだ。

 

カラン・コロン・カラン

 

 木の扉を開くと、心地よいカウベルの音。

 

「いらっしゃいませ」

 

 同時に聞こえてくる女性の声。そして少し遅れて男性の「いらっしゃいませ」の声。

 

「こんにちは」

 

 安西があいさつをするやいなや、のりこがすぐに安西に気づいた。

 

「先日羽賀さんに相談をされていた方ですね。どうぞ、窓際のお席へお座りください」

 

 時間的にちょうど合間になっているのか、客は安西一人だけだった。促されたとおりに窓際の半円型のテーブル席に座る。ここは前回来たときと同じ席だ、と安西は思った。

 

「羽賀さんから伝言です。少し遅れるので、先にシェリー・ブレンドを飲んで待っていてください、とのことです」

 

「シェリー・ブレンド?」

 

「はい。お客様は前回はキリマンジャロをお飲みでしたよね。ぜひ当店のオリジナルブレンドを飲んでみてください。シェリー・ブレンドには魔法がかかっているんですよ」

 

「魔法?」

 

「はい。飲んでみてからのお楽しみです」

 

「じゃぁ、それをお願いします」

 

「かしこまりました。マスター、シェリー・ブレンド、ワン」

 

「かしこまりました」

 

〜おしらせ〜
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