「なぁんてね。こちらこそよろしくお願いします」
真綾はそう言って差し出された修司の手を両手で握った。
「ってことは、二組の双子の合同結婚式も夢じゃなくなったってことですね」
のりこの言葉で、四人の頭の中では同じ光景が浮かんでいた。そう、シェリー・ブレンドを飲んだときに思い浮かんだあの姿だ。
「あ、でも一つ問題があるわ」
紗綾が突然そう言い出した。
「えっ、なに?」
浩司の言葉を合図に、みんなが一斉に紗綾の方を向いた。
「ほら、私のところは私が姉で浩司さんが弟でしょ。逆に真綾は妹で修司さんが兄になるから。だから私は修司さんのことをお兄さんと呼ぶべきか、弟と呼ぶべきか?」
「それって四人とも同じことが言えるのか。俺は真綾さんのことを妹と言うべきか、お姉さんと言うべきか?」
「浩司も紗綾さんも、どうでもいいことを悩むんじゃねぇよ」
「あはは、そうよ。今まで通り名前で呼びあえばいいだけのことじゃない。どっちが姉、妹で、どっちが兄、弟なんて関係ないわよ。私達はお互いの上下関係なんて意識しないほうがうまくやっていけると思うよ」
真綾の言葉にみんな納得。
「さすが双子同士、意見に賛同し合うのも早いですね。お見事です」
〜おしらせ〜
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